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例) 多治見 まち イベント

こと  2026.01.07

多治見におけるインバウンドの現在地 スイスとTajimi Custum Tilesの取り組み

あっつう度

日本政府観光局(JNTO)が発表している「訪日外客数」によると、2025年11月の訪日外客数は約350万人。11月までの累計では約4000万人となり、年間で過去最高を記録した2024年を上回っています。多治見も同様で外国人の来訪者が増えている状況です。多治見市とたじみDMOが連携し、多治見のインバウンド観光施策を推進するプロジェクトチーム「TIP(ティップ)」も2022年に発足し、各国の外国人が多治見で滞在するようになってきました。

 

そして、まちの企業でも海外と「ものづくり」での新しい関わりが生まれています。スイスのデザイナーと日本の製造業者をつなぐ協業レジデンス・プログラム「Design with Japan」です。このプログラムに参画する株式会社エクシィズ、同社によるタイルブランド・Tajimi Custom Tilesとスイスの取り組みを取材。そして多治見に滞在したスイスのデザイナーたちの声も伺いました。海外から多治見はどのように見えているのでしょうか?

 

 

スイスと日本  デザインにおける共通点とは

 

左からスイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団 Marie Mayolyさん、デザイナー Carolien Nieblingさん、Amandine Giniさん

 

スイスのデザイナーと日本の製造業者をつなぐ協業レジデンス・プログラム「Design with Japan」は、スイスのデザイナーが岐阜県多治見市に滞在し、Tajimi Custom Tiles および協力メーカーのラボで創作活動を行うものです。スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団と在日スイス大使館が支援するプログラムで、2024年11月にもデザイナーたちが来日し、多治見に3週間滞在しました。

 

日本の製造業者の専門知識とスイスの若手デザイナーのイノベーション力を結び、デザインの限界を押し広げる異文化間のコラボレーション環境を育成することを目的としています。

 

今回の滞在期間は、2025年10月13日から11月1日までの19日間。エクシィズの笠井政志会長の実家を改装したゲストハウス「宿 一景」(小田町)で生活しました。

 

アーティストがレジデンスで滞在したゲストハウス「宿 一景」(小田町)

 

滞在場所の詳は、こちら
岐阜のものづくりを体感できる宿泊施設「 日本最大の陶磁器とタイルの産地・多治見」のゲストハウス「宿 一景」

 

 

同プロジェクトを遂行するにあたり、日本中の産地を巡り、滞在制作するにふさわしい地域を探したといいます。スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団のMarie Mayolyさんに滞在先として多治見を選んだ理由や産地の魅力を、そして日本国内から海外へボーダーレスにタイル製作を手掛けるエクシィズの笠井政志会長にプロジェクトで期待していることを伺いました。(通訳:Irene Yamaguchiさん)

 

Marie Mayoly:スイスのデザイナーは日本に興味がある人が多く、日本の文化やクラフトマンシップとどう結びつけるかをずっと前から考えていました。日本の各産地を巡る中で多治見を訪れ、笠井さんと出会って考え方に共感し、多治見の各所へ連れていっていただきました。多くの人と話し、多治見の産地としてのポテンシャルの高さを実感しました。笠井さんとの出会いは大きかったです。

 

笠井:協業レジデンス・プログラム「Design with Japan」は一方的で終わるプログラムではなく、お互いにwin-winとなる世界を目指していて、それが我々の考え方と一致しました。産地のさまざまなメーカーにとってもデザイナーと関わる商品を生み出し、広がっていくきっかけになってほしい。

 

Marie Mayoly:日本でノウハウを教えてもらうだけではなく、お互いに経験を得ること。多治見で良い思い出を作るだけではなく、日本の企業とのコラボレーションを目指しています。

 

美坂町にある多治見市陶磁器意匠研究所

 

笠井さんとともにプロ・ヘルヴェティア文化財団は、多治見市陶磁器意匠研究所も見学に訪れたそうです。市として陶磁器文化の教育を行っていること。全国各地、海外からも陶芸を学ぶ若い世代を受け入れている動き。地域で文化を育むことへの意識の高さなど、産地として理想的な在り方だと受け止めたそうです。こうした背景から多治見が同プロジェクトの滞在先として選ばれました。

 

そして、今回のプロジェクトにスイスから参加するデザイナーのAmandine Giniさん、Carolien Nieblingさんに、応募したきっかけやご自身のデザインのアプローチについてお聞きしました。

 

エクシィズのスタッフと構想を練るAamandine Giniさん

 

Amandine Gini:以前から陶芸に興味があり、各国を旅しながら陶芸の研究をしていました。世界でも日本の陶芸はすごく有名で、自分も絶対に経験したいと思っていました。多治見にある土のクオリティは特別です。いままでの旅で得た私の経験と職人さんたちとのノウハウをぜひ交換したいと思いました。

 

海藻をモチーフに使うCarolien Nieblingさん

 

Carolien Niebling:これまでもさまざまな場所へ行き、土に触れてきました。土を研究したくて多治見に来ました。以前から海藻に興味がありデザインに取り入れていますが、今回は多治見で木の実や石などの自然素材を山で採取して、イメージを膨らませたいです。

 

 

スイスと日本には、デザインに共通点があると二人は話します。また、日本文化にどのような影響を受けているのでしょうか。

 

Amandine Gini:似ているところはたくさんあります。スイスのグラフィックデザインでよく使うグリッド(格子、方眼)は、日本のさまざまな場所で見つけています。例えば、障子や畳などです。システムのアプローチも似ているので、それらを取り入れてデザインしてみたいです。

 

Carolien Niebling:スイスと日本の共通点は多いと感じます。特に細かい作業を得意とする点です。茶席にもとても興味があり、茶道の作法や習慣などに関心があります。

 

多治見市陶磁器意匠研究所では、産地としての教育制度にも非常に感銘を受けていた二人。産業のノウハウを大切にしている学びの場であること。そして、講師が英語を活用しながら海外の生徒とともに学ぶ姿にも驚いていました。

 

何度か日本を訪れているMarie Mayolyさんは、多治見の自然、景色の美しさ、ホスピタリティが印象的だと話します。

 

 

Tajimi Custom Tilesで生まれる、共創の新たなタイル

 

 

Tajimi Custom Tilesは2020年にエクシィズでスタートしたオーダーメイドタイルのブランドです。産地ならではの伝統的な成形、焼成技術や釉薬の表現によって、複雑で幅広いデザインを可能にし、世界の建築家やデザイナーから支持を得ています。デザイナーの二人にとって「タイル」はどんな存在なのでしょうか?

 

 

Amandine Gini:タイルは一つのオブジェ。空間デザイナーとして、一つのオブジェで全体の空間をつくれることが面白いと思っていました。

 

Carolien Niebling:フードまわりのデザインをしてきましたが、タイルは空間をつくる「道具」となるもの。一つの機能ではなく、さまざまな用途があります。タイルの役割に興味があります。

 

「出会う人、生活も全てがインスピレーションとなる」「職人さんやメーカーの皆さんと話しながらコラボ―レーションすることが大切」と話す二人。日本文化の素晴らしさ、日本人のホスピタリティの高さにも感動していました。

 

株式会社エクシィズ 会長・笠井政志さんとともに

 

19日間の滞在で得たものをもとに、帰国後、最終デザインを作り上げ、協力メーカーサイドで見本制作を行います。Design with Japanのプログラムで生み出されたプロダクトは、2026年にTajimi Custom Tilesの展示で発表されるようです。窯業とデザイン、海外とのコラボレーションや協業の広がりのきっかけになることでしょう。今後の展開が楽しみです。

 

 

株式会社エクシィズ

【住所】多治見市旭ヶ丘10-6-55

【問い合わせ】0572-20-0711

【ホームページ】https://www.x-is.co.jp/

 

Tajimi Custom Tiles

【ホームページ】https://tajimicustomtiles.jp/ja/

 

Design with Japanについて

https://vitality.swiss/ja

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