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例) 多治見 まち イベント

お知らせ こと  2024.10.17

セラミックパークMINOに薪窯が登場! 薪の炎で生まれる作品づくり体験も

あっつう度

岐阜県現代陶芸美術館、国際会議場、茶室などで構成される複合施設・セラミックパークMINOに薪窯(まきがま)が、「国際陶磁器フェスティバル美濃 ’24」の副催事の一つとして新たにつくられました。薪の炎を使って焼き上げる、窯の原点とも言える「薪窯」。その特徴や薪窯づくりの過程、そして薪窯で焼く作品をつくるワークショップを取材しました。

 

 

 古来より使われる「薪窯」をセラミックパークMINOに築窯

気軽に土に触れ、絵付けや陶芸体験ができる作陶館。初心者から中上級者までの各種講座も開講

多治見市に2002年に開館したセラミックパークMINOは、「陶磁器をテーマにした産業振興・文化振興・まちづくりの拠点」として岐阜県現代陶芸美術館、国際会議場、イベントホール、作陶館、茶室などで構成される複合施設です。世界的に著名な建築家・磯崎新(いそざきあらた)氏によって設計されており、シデコブシなどの希少植物や豊かな生態系を保全するために自然環境との調和を意識したデザインになっています。

 

 

2024年10月18日(金)からセラミックパークMINOで始まるのが「国際陶磁器フェスティバル美濃 ’24」です。国際陶磁器フェスティバル美濃とは、1986年から3年に1度開催している世界最大級の陶磁器の祭典。舞台は、陶産地である岐阜県多治見市・瑞浪市・土岐市・可児市。「土と炎の国際交流」をメインテーマに、陶磁器のデザインと文化の国際的な交流を通じて、さらなる陶磁器産業の発展と文化の高揚を目指しています。

 

メインイベントである「国際陶磁器展美濃」は、国際的に認知された陶磁器コンペティションで、世界中の国と地域の作品が一堂に会す展覧会です。 そのほか、陶磁器産業や地域の文化に密着したサブイベントを多数開催。美濃焼の歴史や魅力、地域の風土を存分に感じて楽しむことができるサブイベントは”美濃焼で魅せる “をコンセプトに ①美濃焼と食、②美濃焼と花、③美濃焼と音、④美濃焼と人の4つのテーマで行われ、「美濃焼と人」の一つとして、新たに薪窯がつくられることになりました。

 

 

薪窯の特徴とは? 独特の風合いを生み出す「炎」の力

 

器を焼く窯には、さまざまな種類があります。太古にさかのぼると縄文土器や弥生土器は野焼きで作られ、古墳時代の須恵器(すえき)は地面をトンネルのように掘り抜いた穴窯が使われていました。江戸時代には登り窯が登場し、現代ではガス窯、電気窯が広く使われています。

 

原始的な窯ともいえる「薪窯」。穴窯や登り窯もその一種で、およそ1,400年前に始まったと言われる美濃焼のルーツに通じます。木材を燃料とした古来より使われている薪窯が、セラミックパークMINO・作陶館の前の芝生広場に築窯されました。

写真左から作陶館の髙木伸彦さん、鶲窯(ひたきがま)の陶芸家・加藤俊さん、国際陶磁器フェスティバル美濃実行委員会の伊藤康宏さん

薪窯づくりの指導を行ったのは、土岐市曽木町に工房を構える鶲窯(ひたきがま)の陶芸家・加藤俊さんです。俊さんに講師を依頼した背景として、父である加藤昌さんの存在があります。昌さんは、2002年に土岐市の濃南中学校に薪窯をつくりました。それ以来、濃南中学校では3年生の生徒たちが自分たちで作品を作り、毎年薪窯で焼く活動を続けています。今回はその窯をモデルとして、長い時間を要さずに焼ける薪窯として設計されました。

 

「薪窯の一番の特徴は、薪の火です。薪から飛んだ灰が作品に付着して溶けることで生まれる表情はガス窯や電気窯にはないものであり、大きな魅力だと思います」と俊さんは話します。

今回の薪窯は、地上式穴窯の形式で作られています。薪窯は、薪をくべる焚口から燃焼室、棚板を組んで器が積まれる焼成室、煙突という構造になっており、サイズは焚口から煙突までおよそ5.6mです。

 

薪窯づくりが始動したのは、24年3月。芝生広場に土を盛って整地をしました。6月には窯の位置と寸法を定める地縄張りを行い、床面の耐火レンガを張りました。垂直に壁を積んでアーチ用の枠をつくり、枠に沿って地元産の耐火レンガを積み上げていきます。

今回作った窯は、8つの棚板が5段ほど積み重なる想定となっており、1回で160個程度の器を焼くことができます。焼成時間は約30時間。丸一日昼夜、火を焚き続けます。

 

薪窯で焼く作品づくり! ロクロとタタラのワークショップを実施

セラミックパークの体験施設・作陶館で9月7日(土)に開催されたワークショップ「薪窯でやく作品をつくろう」も取材。薪窯で焼き上げる作品をロクロ技法またはタタラ技法で作陶する企画です。今回も講師は、鶲窯の加藤俊さんです。

薪窯の歴史や特徴を聞いた後、まず「タタラ技法」の工程をレクチャー。型に張り付けて土を伸ばし、底面を叩いて、型から外すというシンプルな流れですが、型や印によってデザインは多種多様。薪窯は一方から火が当たって歪みやすいのでしっかり叩き固めておきましょう、と講師からのアドバイスも。

ロクロ体験  初心者に丁寧にコツを指導する作陶館の氏家加織さん

「ロクロ技法」では、土の扱い方から指先の使い方まで説明。水分が抜けて焼き締まると12~13%縮むため、作りたいサイズよりも一回り大きく作るのだそう。県外からの参加者もいましたが陶芸経験がある人が多く、スムーズに作陶が進み、湯呑みや茶碗など思い思いの作品が生まれました。

成形後は作陶館スタッフが削って整えて、素焼きして施釉へ
Aが白マット、Bが黒マット、Cが飴釉と、異なる釉薬を使用

薪窯と電気窯では同じ釉薬でも表情が異なります。上記写真は白マット、黒マット、飴釉の釉薬を、電気窯と薪窯で焼き比べた見本です。千鳥型の皿は、鶲窯の薪窯で焼いたテストピースです。器の端は灰がたくさん被った部分で、より薪窯らしい表情が出ており、焼き上がりの違いがよく分かります。椀型の器は電気窯で焼成された見本で、均一に焼かれています。それぞれのテストピースの表情を確認しながら、参加者自身で釉薬を選びました。

 

今回作った作品は、作陶館スタッフが仕上げ・施釉をして、完成した薪窯で焼成します。薪窯の窯焚きは、10/19 (土)~20(日)と11/9(土)~10(日)の2回行われます。10/19(土)は朝8:00に薪窯へ火入れをし、20 (日)午後まで焚き続ける予定です。窯焚きの様子は、セラミックパークMINOの開館時間内は見学可能です。(※荒天の場合、窯焚きは中止)

作陶館の髙木伸彦さんは「いろんな人を巻き込んで、体験してもらうために築いた薪窯なので大勢の方に見てほしい。昔のやきものの技法を知り、先人の営みに思いを馳せてほしいですね」と話します。

 

ぜひ薪窯の窯焚きを見学して、やきもの文化の原点に触れてみませんか? 薪窯見学は無料。また、国際陶磁器フェスティバル美濃’24のメイン催事「第13回国際陶磁器展美濃」と開催4市内(多治見・瑞浪・土岐・可児)の下記施設が対象の7館入場セット券も販売中。フェスティバル会期中に、セラミックパークMINOに足を運んでみませんか。

 

 

国際陶磁器フェスティバル美濃’24 開催概要

会期|2024年10月18日(金)〜 11月17日(日)の31日間

 

HP:https://www.icfmino.com/

Instagram:@ icfmino [https://www.icfmino.com/]

 

国際陶磁器フェスティバル美濃’24 7館入場セット券 販売概要

第13回国際陶磁器展美濃(セラミックパークMINO 展示ホール)

岐阜県現代陶芸美術館

多治見市美濃焼ミュージアム

多治見市モザイクタイルミュージアム

瑞浪市陶磁資料館

土岐市美濃焼伝統産業会館

荒川豊蔵資料館(可児市)

※フェスティバル会期中、上記7館を対象とするスタンプラリーを実施
※ 休館日・開館時間は各施設によって異なる

 

・前売りチケット 1,200円(税込)

販売期間 10月17日(木)まで

 

・当日チケット 1,500円(税込)

販売期間 10月18日(金)~11月17日(日)

 

〈購入場所〉

・岐阜県現代陶芸美術館

・多治見市美濃焼ミュージアム

・多治見市モザイクタイルミュージアム

・瑞浪市陶磁資料館

・土岐市美濃焼伝統産業会館

・荒川豊蔵資料館

・ショップ&ギャラリーMINO(セラミックパークMINO内)

・Boo-Wooチケット(発券:ローソン・ミニストップ)

・チケットぴあ(発券:セブンイレブン・ファミリーマート)

・多治見駅観光案内所

・多治見市PRセンター(陶都創造館1F)

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