美術館めぐり&ランチツアー「多治見るこみち」体験レポート⑧
多治見市近郊、東美濃エリアで開催される体験型観光プログラムを集めた「多治見るこみち」。この土地に暮らす人が企画・案内人となって、まちの魅力を発信しています。主催しているのは、A2 webを運営するたじみDMOです。今回はA2 web編集部員のぱんちゃんが、10月に行われた多治見るこみちプログラム「美術館めぐり&ランチツアー」に実際に同行したレポートをお送りします!
多治見るこみちの概要と予約方法などは、体験レポ―ト① アロマオイルブレンドづくりの記事をチェックしてください。
美濃焼の基礎を学ぶ。
この日は朝から良いお天気!今回のスケジュールは朝9:30に集合し、美濃焼ミュージアム、セラミックパークMINOの岐阜県現代陶芸美術館と国際陶磁器展美濃を見学し、本町オリベストリートの松正で水月窯のうつわを使ったランチを楽しむという陶器三昧のコース。プログラム参加者5名とスタッフ2名の計7名でめぐっていきます。
まずは美濃焼ミュージアムへ。常設展で学芸員の岩城さんの説明を聞きながら美濃焼の定義や成り立ちについて学びました。こちらの常設展は何度か見たことのある私でしたが、説明を聞きながら展示物を見るのは各段に理解度が高まります。焼き物の歴史、窯の歴史など、説明文を読むだけでは分からないニュアンスも、解説を聞くと非常に分かりやすく納得できました。特に美濃焼を説明するときによく耳にする「美濃焼は特徴がないのが特徴」という表現は、「それぞれの時代に合った焼き物を作ってきた」という意味であることを知り、美濃焼の歴史の本質に触れたような気がしました。
企画展「没後40年 陶磁器デザイナー日根野作三 -人をつなぐデザイン 美濃の足跡-」、こちらも岩城さんの説明を聞きながら見学。「あまり時間がないので軽く説明を……」と言いつつ、やはり展示を見ながら日根野作三の足跡を聞くとつい見入ってしまい、美濃焼の将来を案じて人材育成に力を入れた人たちに思いをはせているとあっという間に時間が経ってしまいました。
セラミックパークMINOで、もっと陶器を楽しもう。
もう少しゆっくり見たかった!と後ろ髪を引かれつつ、次の目的地であるセラミックパークMINOへ。こちらでは岐阜県現代陶芸美術館の企画展と国際陶磁器展美濃を見学しました。3年に一度開催される国際陶磁器フェスティバルの期間中でしたが、平日ということもあり人も多すぎず落ち着いた雰囲気。セラミックパークMINOは高台で見晴らしがいいので、美術鑑賞が目的でなくてもくつろげる場所です。
まずは現代陶芸美術館で「生誕130年 荒川豊蔵展」を学芸員の花井さんの説明のもと見学します。今回の展示の目的を聞きそれを念頭に作品などを見ていくと、その作品だけでなく荒川豊蔵という一人の陶芸家、そして人間が浮かび上がってくるように感じました。数多く展示されていた直筆のメモや手紙に描かれた絵が特に印象的で、探求心の強さや豪快さ、茶目っ気など、その人となりを垣間見ることができた展示でした。また荒川豊蔵が築窯した水月窯のうつわも展示されていて、お昼ごはんがますます楽しみに。
荒川豊蔵展を見終わり、そのままハンガリーと日本の作家による「Ways of Earth」、「美濃のラーメンどんぶり展」を見学。これだけでもかなりのボリュームですが、全て趣旨が違うので飽きることなく階上のフロアまで一周することができました。
さて下階へ降りて国際陶磁器展美濃へ向かいます。入り口でチケットを渡して中に入ると、広い広い展示室が黒を基調としたいくつかのセクションに分けられた空間になっていました。数多くの作品が並んでいましたが、背景が黒だからか作品ひとつひとつがとても見やすく、朝から美術館を巡ってきた私たちでも疲れを感じませんでした。会場をぐるりと巡っていたら、あっという間にお昼の時間!次の目的地、本町オリベストリートへ向かいます。
水月窯のうつわで味わう贅沢。
本町オリベストリートの老舗料亭松正に到着し、広いお部屋で水月窯のうつわを使ったランチを頂きました。ついさっき美術館でケースに入った水月窯の陶器を見たばかりの私たち、実際に使ってみると荒川豊蔵展の印象がよみがえります。「このお湯呑み、さっきの美術館で見たよね」「この焼き物が載ったお皿もすごく良いね」美術館ではなかなか参加者同士でゆっくりと交流する時間が無かったのですが、共通の話題があるので参加者もスタッフも一緒になってお料理とうつわを楽しむ良い時間に。食事後は参加者それぞれが本町オリベストリートを散策しに出かけて解散、集合から約4時間ほどでプログラムは終了となりました。
今回の参加者は多治見るこみちリピーターばかりで、ホームページや小冊子などを見てどのプログラムに参加するのかを考えるのが楽しいとのこと。友人や家族とのお出かけプランの計画をする手元には小冊子、ゆっくりと自分のためのプログラムを探すのはスマホでホームページなど、自分に合った方法でプログラムを選べるのもうれしいですよね。今年度(2024年)、「多治見るこみち」は通算で85のプログラムが開講されていて、バリエーションもとっても豊か。「多治見るこみち」でしか出会えないとっておきの体験を、お好きなスタイルでぜひ!
◎多治見るこみち ホームページ
【住所】 岐阜県多治見市東町1-9-27
【電話】0572-23-1191
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/28~1/3)
【住所】 岐阜県多治見市東町4-2-5
【電話】0572-28-3200
【休館日】 12月29日 – 1月3日
*岐阜県現代陶芸美術館は月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)、12月29日 – 1月3日
507-0033
多治見市本町3-25 ヒラクビル3F
TEL 0572-51-8156
MAIL tajimirukomichi@tajimi-dmo.jp
https://tajimirukomichi.jp/