岐阜の文化が集結する「美濃の国文化芸術大祭」が11/10(日)に開催! まるっと1日楽しむ見どころを紹介
地歌舞伎、郡上踊、美濃の陶器を使用した茶会、生花などの伝統文化体験や、およそ160人のクワイアとプロのオーケストラによる演奏など、岐阜ならではの文化が一同に会する「美濃の国 文化芸術大祭」が11月10日(日)にバロー文化ホールで開催されます。演目だけではなく、多治見老舗料亭の弁当や五平餅、牛カップ寿司、あんまきなどのグルメも楽しめるイベントです。
美濃の国 文化芸術大祭は、美濃ブランドを市民に周知するとともに、内外に向け発信するという趣旨のもと、TAJIMI CHIOR JAPAN 多治見少年少女合唱団とシニアコア(以下、多治見少年少女合唱団)の指導者・柘植洋子先生により企画されています。
2024年に岐阜県で実施されている第39回国民文化祭「清流の国ぎふ」文化祭2024の催しの一つとして、一日まるっと楽しめるプログラムが満載。今回は同祭の運営を行う多治見少年少女合唱団 育成会の伊納有紀さん、山本央恵さんに取材。当日のスケジュールに合わせて、それぞれの見どころを紹介します。
多治見少年少女合唱団が「トトロの森」を歌って踊る
開幕の演目は、多治見少年少女合唱団による「トトロの森」です。1973年に創立された多治見少年少女合唱団は、主に年中から高校生までのメンバーで活動しています。今回は多治見少年少女合唱団に加えて、大垣市と中津川市の少年少女合唱団、多治見市内の保育園、幼稚園、小中学校公募からの参加者も含むおよそ90人での合唱です。スタジオジブリ作品『となりのトトロ』の劇中歌を中心に子どもたちが踊りながら楽しく歌います。
多治見・諏訪町に伝わる民俗芸能「小木棒の手」の演舞
10時40分から行われるのは岐阜県重要無形民俗文化財に指定されている「小木棒(おぎぼう)の手」です。小木棒の手とは、多治見市諏訪町に古くから伝わる民俗芸能で、棒・太刀・鎌・真剣・槍などを用いた演舞です。源義経に敗れた木曽義仲の家臣・今井四郎兼平の一族が諏訪町に移り住み、武技として農民に伝えたと言われており、それが形を変えて、現在では諏訪神社の祭礼で奉納されています。
いままで外部で演舞を行うことはほとんどなかったものですが、時代を越えて脈々と受け継がれてきた舞を今回の文化芸術大祭をきっかけに披露する運びとなりました。非常に神聖な演舞を目の前で見られる貴重な機会です。こちらはチケット不要で鑑賞できます。
気軽に楽しめるピアノ独奏会、合唱団による『メサイア』を鑑賞
美濃の国文化芸術大祭は、音楽の演目が充実しています。まずは、多治見市出身の古田友哉さんによるピアノ独奏会。古田友哉さんはソリストとして名フィル、セントラル愛知、室内楽奏者としてベルリンフィル、ミュンヘンフィル、フィンランド放送響のメンバーと共演しているピアニストです。ピアノの独奏会は11:00~、14:30~の2回、小ホールで行われます。各30分で、それぞれ曲目が異なります。曲目の幅は広く、クラシックの知識がない人でも気軽に楽しめる演奏会になりそうです。
また、多治見少年少女合唱団と公募の参加、揖斐川町や土岐市の合唱団のメンバー、約70人によるメサイアの合唱は13:30から大ホールで実施されます。今回の指揮者・青木洋也さんは、東京藝術大学大学院で古楽演奏、エリザベト音楽大学大学院で宗教音楽学を学びました。宗教音楽を専門とし、J.S.バッハの『マタイ』『ヨハネ』の両受難曲や、多数のカンタータの独唱を務め、現在は合唱指揮者としても活躍。生の音楽の響きを体感してみませんか?
東濃地方に根付いた「地歌舞伎」の公演をワンコインで
岐阜県下32ある歌舞伎保存会の中でも歴史と実績のある東濃歌舞伎中津川保存会による地歌舞伎を上演します。江戸時代、中津川宿の旦那衆が始めたとされ、定例の吉例歌舞伎大会は72年欠かさず続いている伝統芸能です。
近年は岐阜県のプロモーションとして海外公演も実施。今回は海外に向けた演目をアレンジし、歌舞伎の知識のない人でも楽しめる内容になっています。歌舞伎の楽しみ方、おひねりなどの作法を学ぶ時間も設けているそうです。歌舞伎入門編として、500円のワンコインで鑑賞してみては。12:00~、13:00~の2回、小ホールで上演されます。
料亭弁当付地歌舞伎チケットも販売。公演中の飲食はできませんが、公演後に屋外の飲食スペースやホワイエで食べられる料亭弁当付きチケットは3,500円で購入できます。多治見の松正、魚関、澤千の手掛けたオリジナルお弁当を数量限定で販売!芸術だけでなく、秋の味覚もいっしょに堪能してみませんか。
ミュージカル界の至宝「ライオンキング」の世界を!
多治見少年少女合唱団が信頼する舞踊家で演出家の武田先生の振付、熱いサウンドで合唱団の歌を支えるオーケストラアンサンブル・セラの演奏とともに、ブロードウェイとは異なる「ライオンキング」の世界をお楽しみください。鑑賞は無料です。
飛び入り参加OK!岐阜の伝統「郡上踊り」を多治見で体験
郡上おどりは、岐阜県郡上市八幡町で開催される伝統的な盆踊り。日本三大盆踊りに教えられ、2022年には「風流踊」の一つしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。今回は、17:30から1時間ほどバロー文化ホールの中庭をライトアップして郡上踊を実施します。踊るのは、下呂市を中心に活動する小夜会。本場の雰囲気を残しつつ、気持ちが高まるお囃子が特徴です。
今回は、岐阜県下呂市金山町から木のやぐらを取り寄せて組み建てる本格的な企画。文化芸術大祭のシンボル的な演目です。手ぬぐいも現地で販売され、踊りの中で踊り上手の方のレクチャーも受けられます。チケット不要で飛び込み参加も歓迎! 合唱団の子どもたちも含めた全員参加で、一時間ほど踊り納めたら終演です。
また、鑑賞だけでなく多治見茶華道連盟による茶会、長谷川社中・大滝社中によるいけ花体験会の体験ブースも充実。いけ花体験会では抹茶椀に花を活けて、抹茶椀ごと生け花を持ち帰れます。茶会、いけ花体験会チケットはともに600円。子どもから大人まで気軽に茶道・華道体験ができます。
大ホールロビーには、多治見の洋菓子店・ラメールブランシュや喫茶・さいわいなど地元の人気店が出店。屋外には、キッチンカーなど軽食のブースが並びます。
最後に、今回取材をした伊納さん、山本さんに美濃の国 文化芸術大祭への思いを伺いました。
「各公演に携わる多くの人の力を借りてつくり上げています。多くの人に来て楽しんでほしい」(伊納さん)
「国民文化祭に関わらせてもらって、岐阜の文化を知ってほしいと強く感じました。未来を担う子どもたちにも日本独自の伝統文化に身近な場で触れて、文化を後世に残すきっかけになってほしいです」(山本さん)
6公演が楽しめるパスポートが2,000円。各演目の鑑賞券は500円で、バロー文化ホールや多治見駅観光案内所で販売中。岐阜の多様な文化に触れられる一日。ぜひ気軽に足を運んでみては。
■美濃の国 文化芸術大祭
【日時】2024年11月10日(日)9:30~18:30
【場所】バロー文化ホール(多治見市十九田町2-8)
【チケット】パスポート(全6公演鑑賞可) 2,000円/各演奏会、催し 500円/茶会(御菓子付)・生花(材料費込) 600円 ※ミュージカル は無料
【チケット販売場所】バロー文化ホール(チケットONLINE・窓口)
※多治見駅観光案内所(多治見駅コンコース内)でもチケット販売中
【主催】TAJIMI CHOIR JAPAN多治見少年少女合唱団とシニアコア
文化芸術大祭タイムテーブル ( 家族連れお勧めコース ・ 午後から 楽しむ芸術満喫コース )
【お問い合わせ】
・バロー文化ホール 0572-23-2600
・TAJIMI CHOIR JAPAN多治見少年少女合唱団とシニアコア(事務局)0572-25-6703
507-0039
多治見市十九田町2-8
TEL 0572-23-2600
https://gifu-bunkasai2024.pref.gifu.lg.jp/koku-shou-bunsai/event/culture/p7166/