こども陶器博物館で転写にチャレンジ 「多治見るこみち」体験レポート⑦
多治見市近郊、東美濃エリアで開催される体験型観光プログラムを集めた「多治見るこみち」。地元に暮らす人が企画・案内人となって、まちの魅力を発信しています。主催しているのは、A2 webを運営するたじみDMO。実際に体験することで、魅力をより一層伝えられたら……と、A2 web編集部・さわだが今回も足を運んでみました。
今年度最後の体験レポートは、旭ケ丘の美濃焼卸団地にあるこども陶器博物館KIDS LAND。うつわの転写体験をしてきました。
多治見るこみちの概要と予約方法などは、体験レポ―ト① アロマオイルブレンドづくりの記事をチェックしてください。
大人も楽しめる!懐かしいこども茶碗の博物館
こども陶器博物館は、2000年10月に、陶磁器卸商社である株式会社金正陶器が商品のPRを兼ねてオープンしたこども茶碗を展示する博物館です。大正時代から現在にかけて生産されてきた こども用の茶碗や資料が常設展示されているほか、年に2回の企画展、体験工房や絵本コーナー、ミッフィーなど人気キャラクターの食器を販売するショップなどがあり一日楽しめます。
私が伺った日は、平日にも関わらずたくさんの人でにぎわっていました。駐車場には他県ナンバーもちらほら。施設を訪れる前は親子連れが多いイメージでしたが、年代もさまざまです。
「‟こども陶器博物館KIDS LAND“という名称から、子どものための施設と思われがちですが、大人の方にも楽しんでいただけます。特に、年に一度テーマを変えて実施するミッフィーの企画展中は全国各地から多くの方がいらっしゃいますよ」とスタッフの高橋さん。
施設内にフォトスポットが点在
地下1階、地上2階の建物で、エレベーターも完備。館内には自然光が入り心地よい空間が広がります。キッズルームや授乳室も用意されていて、小さな子どもがいる親も安心して利用できそうです。そして、至る所にミッフィーのアートも。どのエリアに足を進めてもわくわくするような仕掛けがあり、たくさんの人が記念写真を撮っていました。
転写紙を使って、世界に一つだけのうつわづくり
さて、体験工房のある地下1階へ。30名ほどが入室できる工房内は、木のやさしい色合いで統一されています。まるい形のテーブルも相まって全体的にやわらかい印象です。
ここでは毎日予約制で転写や絵付けの体験ができます。中には、筆を使わずに特殊なクレヨンやマジックで絵付けできるコースもあり、幼い子どもも思いきり楽しめそう。幼稚園や学校単位での団体予約もできるそうです。
(詳細はこちら)
今回は、ミッフィーの転写紙を使って皿とカップの食器セットを作ります。転写紙は、8種類の中から好きなものを3枚まで選べました。ミッフィーは個人的にも大好きなキャラクター。どれもかわいくて目移りしてしまいます。家族や友人同士、違う絵柄を選んでシェアするのも良いですね。
私はミッフィーのキャラクターが小さく印刷されているものと、イラストのない色だけの転写紙を選びました。せっかく作るならオリジナリティが出せるといいな……!
「ミッフィーの生みの親、ディック・ブルーナさんは、シンプルを追求した人です。転写紙にはたくさんの絵柄があって欲張ってしまいたくなりますが、シンプルを意識すると素敵なうつわができますよ」とスタッフの柴田さん。なるほど!
絵心がなくても安心!
余白やバランスを意識しながら、そして食べ物をよそった時もイメージをしつつ、転写紙を皿に仮置きしていきます。イラストごとにカットしておくと便利です。転写紙のキャラクター自体がかわいいので、デザイン面での大きな失敗はなさそう。全体のイメージが固まったら、いよいよ貼り付けていきます。
まずは、カットした転写紙を水につけます。しばらくすると台紙から転写紙が浮いてくるので、それが準備完了のサイン。貼りたい場所に転写紙を置き、台紙からスライドさせるように移します。この時、空気が転写紙と皿の間に入らないように、専用のゴムベラで押さえるようになじませるのがポイント。空気が入ってしまうと、焼成した時に絵柄が切れてしまったりするので注意が必要です。図柄のサイズが大きくなればなるほど、この空気を抜く作業がむずかしくなるのだとか。転写紙が濡れているうちは動かすことができるので、微調整できるのも初心者には安心です。
仮置きでデザインイメージは固まっていたので、あっという間に完成しました。白いうつわに色が少しずつ加わっていく様子に心が弾みます。
伝えたいことを伝えるための色づかい
ミッフィーの世界は6色で表現されているのをご存知ですか?レッド、イエロー、ブルー、グリーンの基本色に加え、ブラウンとグレー。
体験当時に開催されていた企画展「ミッフィーと家族のじかん」内で、ディック・ブルーナは長い時間をかけてこの6色をオリジナルで生み出していたことが分かりました。それぞれの色にはメッセージが込められているそう。
例えば少しオレンジがかったレッドはあたたかさや喜びのイメージで、ミッフィーの服の色をはじめ、家族のシーンでよく使われています。一方でブルーは悲しみや静けさ、そしてどこまでも広がる空や海のシーンに登場します。
私たちの身の回りには色があふれています。あなたは、色からどんなメッセージを受けとるでしょう。
一緒に受講していた方の作品も見学させてもらいました。同じ転写紙を使っても配置の仕方で個性が出るのがおもしろい!まさに世界に一つだけのうつわができあがりました。みなさん、自分のうつわを手に とってもうれしそう。ミッフィーたちのぬいぐるみと一緒に参加している人もいて思わず笑顔に。好きなことを思い切り楽しむって良いですね。
心が潤い、日常を豊かに
無心になってものづくりをしたり、新しいことを学べる「多治見るこみち」。オトナになって遠ざかってしまった「時間」がそこにはありました。多治見に住んでいても知らなかったこと、人、ものづくりに出会うことができて、気分転換はもちろん、単調な毎日に変化をもたらせてくれます。
今年度(2023年)、「多治見るこみち」は通算で101のプログラムが開講されています。最も多くのプログラムが開催されるのは秋。2024年2月末現在は33のプログラムをご案内しています。来年度、どんなプログラムがあるのか今からとても楽しみです。「多治見るこみち」でしか出合えない、とっておきの体験が待っています。多治見るこみちで新しい発見を探しにいきませんか。
◎多治見るこみち ホームページ
◎こども陶器博物館 KIDS LAND
【住所】多治見市旭ケ丘10-6-67
【電話】0572-27-8038
【休館日】月曜・火曜(祝日の場合は開館)、年末年始
507-0033
多治見市本町3-25 ヒラクビル3F
TEL 0572-51-8156
MAIL tajimirukomichi@tajimi-dmo.jp
https://tajimirukomichi.jp/