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例) 多治見 まち イベント

もの 場所  2024.07.30

多治見で愛される逸品を突撃!vol.2 鵜飼やっこ飴本舗

あっつう度

多治見市内で作られている特産品。大切な人に渡したいお土産。まだ知られていない逸品はたくさんあります。

 

口に入れるとどこか懐かしさを感じる味とほろっと溶けていく食感が忘れられない飴。前回のすぎさん養蜂に続き、2023年4月から多治見市PRセンターで取り扱っている鵜飼やっこ飴本舗について取材しました。

 

今回登場するのは、株式会社鵜飼やっこ飴本舗 社長 鵜飼榮次(うかい えいじ)さんと息子の真弘(まさひろ)さん。多治見に本社を構えていますが、現在は工場を瑞浪市に仮移転。稼働中の工場へ足を運び、話を伺いました。

 

 

創業93年 昔から変わらないもの

 

 

1931年(昭和6年)に開業した鵜飼やっこ飴本舗は今年で創業93年を迎えます。製造している飴は一つ一つ職人手組みの手間と愛情が込められた商品。現在でも多治見市民でやっこ飴を懐かしがる人も多く、本町オリベストリートの陶都創造館内にある多治見市P Rセンターでは、お客様から「この飴は鵜飼さんところのやつやね。懐かしいな〜。今はどこで売ってるの?」という声をよく耳にするとスタッフが教えてくれるほど。

 

現在の仮工場(瑞浪市)

 

現在の工場に移転したのは今から10年ほど前。2代目から3代目に変わるタイミングで規模を縮小し現在の仮工場(瑞浪市稲津町)に移転しました。昔は現在の多治見市民病院付近に工場があり、市内の施設でも販売をしていたそう。その頃は飴工場の従業員も多かったですが、時代の流れとともに飴の生産量も減って行き、現在は4人。社長の栄次さんと息子の真弘さん(弟)、渡邉さんが製造を担当し、大輔さん(兄)が経営戦略、メディア出演、SNSなどの広報、営業など製造以外の業務を担当しています。

 

80年使い続ける真空釜

 

「製法も使っている道具も昔から変わらない。古い道具は80年以上使い続けています」と社長の鵜飼さん。飴を煮詰める真空釜や飴に色つけを行う台など、製造に欠かせない道具を長く使い続けているのはもちろん、飴の作り方は初代の時から変わらぬ製造方法で作り続けています。

 

飴に空気を入れる作業。空気を含むことで色が白っぽくなっていく

 

鍋で煮詰めることで液体となった飴が、冷めて固まっていく途中で成形を行います。カッチカチになってしまったら伸ばすことも形にすることもできないので、程よいところで形を保ちながら飴にしていく作業は面白さも難しさもあるそう。飴は柔らかすぎたら柄も形も崩れてしまいます。一つ一つが職人の技で出来上がっていくからこそ、やっこ飴の表情に違いが出てきます。

 

 

父の思いを継いだ兄弟

 

 

「元々、飴を作りたいという思いがあったので、大学卒業後から家業に入りました」と話す父の榮次さんは2000年から3代目を継承。入社してから現在まで約40年間飴を作り続けている、まさに職人。

 

飴作りは多い時に1日で10回。1日10釜(1釜1キロ)の飴を製造しています。これだけの重さを扱うのはかなりの重労働。仮工場に移ってから約5年は社長の榮次さんがほぼ1人で飴を作り続けていましたが、体調を崩して一時は廃業も考えたそう。

 

歴史と伝統のある会社を存続させるため、2019年より兄・大輔さんが、2020年から弟・真弘さんが家業を継ぐために飴職人の道を歩みました。

 

 

「あと10年で創業100年を迎える、歴史ある会社を終わらせてしまうのはもったいない。100年までは続けたいという思いで家業に入りました」と話す真弘さん。

 

幼い頃は、自宅の隣が工場で小学校へ行く途中に工場で父親が飴を作っている姿を横目に登下校していたそう。家に誰もいない時は飴工場に遊びに行っていたので、なんとなく飴のできる工程は知っていたそうですが、飴作りは職人と呼ばれる仕事。

 

決まったマニュアルやルールは特に無く、その日の湿気や気温に合わせて少しずつ榮次さんが、内容を変えています。湿度が多い日は飴を煮詰める温度を少し変えたり、飴に空気を入れる作業の時間を短くしたり、飴作りのさまざまな場面で経験とともに培ってきた手の感覚が必要になってくるそう。「職人」と呼ばれるまでには長い時間と経験が必要になります。

 

 

看板商品 花奴(桜)ができるまで

 

 

一種類の飴ができるまでの時間は、煮詰めた飴を釜から出して約30分と短期戦。固まってしまう前に素早く細かい作業をこなしていく、まさに職人技です。

 

一つ一つ職人手組みのやっこ飴の看板商品、「花奴」が出来上がる工程を写真を交えて紹介します。

 

1:水飴にグラニュー糖を加え真空釜を直火で110度まで加熱。そこから真空にして140度の高温まで上げていく

 

2:天板の上で飴が熱いうち(約50度)に、色つけと味付けを行う

 

3:飴に空気を入れて、色を白っぽく(もしくは色を濃く)する

 

4:色付けで分けた飴を伸ばし、形になるように組んでいく

 

5:組み終わった飴を、伸ばす

 

6:一口の大きさまで伸ばし、機械でカットする

 

7:形や柄の崩れなどをチェックし、完成

 

 

創業100年に向け、伝統をつないでいく

 

 

今年で創業93年。2031年で創業100年を迎える歴史と伝統のある鵜飼やっこ飴本舗。多治見工場から現在の仮設工場に移転して約10年が過ぎようとしています。

 

「やっこ飴と言えば多治見が故郷だとお客さんにも言われるように、鵜飼やっこ飴の生まれた場所である多治見に、僕の代で工場を戻すことがミッションだと思っています」と真弘さん。インタビュー中に、「家業を継ぐと思わなかったでしょ?」という真弘さんに「まあ、そうだね」と照れくさそうに微笑む榮次さんの姿が見られました。

 

最近では和飴だけではなく、飴を通じてワクワクを体験してもらいたいという思いで生まれた洋飴のブランド「Wakuwaku Amezing」の運営を始めました。歴史ある会社を守りながら新たなものも取り入れていく。父のような立派な職人になるまでに、これからも兄弟の挑戦は続いていきます。

 

定番商品の花奴をはじめ、これからの暑い季節は夏バテ対策に「塩レモン」もおすすめです。ぜひ一度手に取ってみては。

 

 

 

■多治見で鵜飼やっこ飴を購入できる店舗

○鵜飼やっこ飴本舗 本社

〈住 所〉多治見市前畑町3-64-1

※毎週土曜日午前中のみの販売

○多治見市P Rセンター

〈住 所〉多治見市本町5-9-1 陶都創造館1F

 

○オンラインでも購入できます

https://lit.link/yakkoame

 

 

■株式会社鵜飼やっこ飴本舗

【住所】多治見市前畑町3-64-1

【電話】0572-22-3271

○鵜飼やっこ飴 Instagram 

○Wakuwaku amazing Instagram 

○鵜飼やっこ飴 HP 

株式会社鵜飼やっこ飴本舗

多治見市前畑町3-643-64-1
TEL 0572-22-3271
https://yakkoame.thebase.in/

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