修道院のあるまち・多治見 未来に向けた一歩を ~多治見修道院 耐震調査費用の寄付活動への思い~
1930年にカトリック神言修道会によって建てられた多治見修道院。お花見やワインフェスタなど市民にとっても親しみのある場所です。
日本三大修道院に数えられる同施設は設立から95年が経ち、老朽化の進行を理由に解体の方針が決定しています。“修道院のある景色”は多治見市民が誇るべき財産であり、未来に残していきたい風景だと考え、市内の組織・団体によって構成された多治見修道院建物調査実行委員会が立ち上がりました。2025年7月から建物耐震調査を実施するための財源としての寄付金募集が始まっています。
今回は、同委員会の事務局である一般社団法人多治見市観光協会(以下、たじみDMO)の理事長・松島祥久(よしひさ)さんと、COOの小口英二さんに多治見修道院への思いについて伺いました。寄付金募集の活動方針や寄付の方法についても紹介します。
1930年に設立された多治見修道院は、まちにとっての原風景

多治見修道院は、カトリック神言修道会の宣教師モール神父によって1930年に設立されました。地上3階、地下1階の木造建築は、中世ヨーロッパを偲ばせる雰囲気を持ち、多くの市民に親しまれてきた施設です。

また、修道院の周囲に広がる3000坪の畑で栽培されたぶどうを使って、1933年から修道院の地下でワインが醸造され愛飲されてきた歴史もあります。(現在、ワインは造られていません)修道院のバロック建築と美しく緑豊かな中庭は、多くの人の“心の風景”として愛されています。

虎渓山の麓にたたずむ多治見修道院への思い入れについて話すのは、多治見市観光協会・理事長の松島祥久(よしひさ)さんです。松島さんは祖父母の代から修道院の近所で暮らしており、幼い頃から修道院で生活をする修道士の姿をよく見かけていたそうです。
「子どもの頃は、永保寺から修道院の周りまで庭のような気持ちで遊び回っていました」と振り返ります。修道院の向かいに位置する岐阜県立多治見北高等学校にも通っていたため、青春時代も修道院を眺めながら過ごしたそうです。

修道院内にはカトリック多治見教会があり、毎週日曜日にはミサが執り行われ、祈りが捧げられています。(教会内は写真撮影禁止)
「修道院の中には、キリストの一生のさまざまな場面が描かれた絵があります。そこから歴史に触れて学びました。美しい絵を直で見られる貴重な場所でした」と松島さん。
「国道19号線から修道院が見えると、多治見に帰ってきたと思えるんですよね」いまもなお、多治見修道院は特別な存在だと笑顔で話します。

春のお花見やライトアップが美しい場所としても印象的です。また、2023年に閉鎖された多治見修道院研修センターには野外研修などで多くの学生たちが訪れていました。毎年11月に開催されている年に一度のワインフェスタでは、多治見市外からもたくさんの人が訪れており馴染みのある人も多いのではないでしょうか。

たじみDMOのCOO・小口英二さんは、多治見修道院の潜在的な価値について以下のように語ります。
「多治見についてインターネットで調べたときに修道院の情報は上位に出てくる。修道院をきっかけに多治見を知って、足を運んでくれる方もいます。まちのシンボルとして、未来につないでいくべき価値がありますので役割を果たしていきたいです」
多治見修道院の「未来」を考えるために、私たちができること

1930年に設立された多治見修道院。日本三大修道院に数えられる同施設は、老朽化の進行を理由に解体の方針が決定しています。設立から95年が経ち、現場を守る方々の多大なご尽力によって維持されてきましたが、施設の安全性を確保するためには多額の資金が必要な状況です。
多治見修道院の「未来」を考える上で欠かせないことは、現状の正しい把握。しかし、建物耐震調査だけでも莫大な予算が必要です。

このような経緯から、25年6月に多治見商工会議所、笠原町商工会、多治見青年会議所、多治見市文化振興事業団、たじみDMO(多治見市観光協会)、多治見市を構成員とする「多治見修道院建物調査実行委員会」が立ち上がりました。同委員会は、多治見修道院の所有者である神言修道会と協議を重ね、建物耐震調査を実施すること、その財源として寄付金募集を行うことについて了承を得ました。
建物耐震調査に必要な費用の内訳は、耐震診断等に約2,200万円。耐震費用把握のための設計費に約2,000万円以上。寄付金が集まりましたら、2026年度に調査を実施する予定です。

まちの風景を大切に思う気持ちから、多治見市民をはじめとする個人や団体、企業が動き始めています。最後に、今回の取り組みへの思いをお二人に伺いました。
「多治見修道院は、多治見にとって特別な存在。多治見のまちを思うように、一人でも多くの人が多治見修道院のことも大事に考えてほしい」と話すのは松島さん。
小口さんは、「これを機に新たに多治見修道院のファンが増えてほしい。今まで関心のなかった人もいると思うので、多治見にこんな素晴らしい場所があるのだと知ってほしいですね」と語ります。
今回の建物耐震調査は、多治見の貴重な場所を未来へつなぐための第一歩となる活動です。まだ建物を残せる保障はありませんが、可能性を模索する取り組みはまちの皆さんとともに進めていくことができるのではないでしょうか。
多治見修道院 寄付の方法について

今回の寄付金の募集期間は、2025年7月から2026年の2月まで。募集対象および金額は、個人の場合は3,000円以上(1,000円単位)、企業団体の場合は10,000円以上(10,000円単位)となります。
寄付の受付方法は、以下の通りです。
1:多治見修道院建物調査実行委員会事務局 ホームページ内「寄付申込フォーム」に必要事項を記入して、送信する。
送信後、以下の2-1もしくは2-2のいずれかの方法により寄付を行います。
2-1:金融口座からの寄付
【振込先】
金融機関名:東濃信用金庫本店営業部
口座名義:多治見修道院建物調査実行委員会
(タジミシユウドウインタテモノチヨウサジツコウイインカイ)
口座種類:普通預金
口座番号:1403085
※東濃信用金庫本支店の窓口で手続する場合は、振込手数料が無料となります。その他の場合、振込手数料は寄付者負担となります。
2-2:インターネットからの寄付
インターネット寄付決済サービス「Syncable」によりクレジットカード、銀行振込による寄付が可能です。
※決済額の5.5%をシステム利用料および手数料に係る消費税としてご負担いただくこととなります。
※12月7日(日)より現金での寄付の受付をスタートしました※
【受付場所】多治見駅観光案内所(JR多治見駅2F)
【受付期間】2026年2月28日(土)まで ※1月1日・2日は休み
【受付時間】9:00~18:00
【金額】
個人 3,000円以上(1,000円単位)
企業団体 10,000円以上(10,000円単位)
507-0033
多治見市本町3-25 ヒラクビル3F
TEL 0572-23-2636
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