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例) 多治見 まち イベント

場所  2026.07.02

多治見美濃焼卸センターに新たなアートギャラリー「ZUNO GALLERY」がオープン。陶芸作家・東絵理の個展は7/5まで

あっつう度

2026年6月12日、多治見市旭ヶ丘に新たなアートギャラリー「ZUNO GALLERY」がオープンしました。場所は、美濃焼の流通拠点である多治見美濃焼卸センター。長年、美濃焼やタイルを販売していた店舗スペースが生まれ変わりました。

 

ZUNO GALLERYを手がけたのは、多治見のランドマークとなった新町ビルの4階でセレクトショップ「地想」を営む水野雅文さんです。多治見を中心に幅広く活動する水野さんに新たなギャラリーを開業するまでの経緯や企画展の見どころ、多治見の未来を見据えた思いなどを伺いました。

 

 

まちの中で、自分ができることは何なのか?

 

 

新町ビル4階のセレクトショップ「地想」のオーナー・水野雅文さん。活動は多岐にわたり、クラフトイベントやアートプロジェクトの実行委員長、たじみ陶器まつりの広報を担っています。

 

春は本町オリベストリート、秋は多治見美濃焼卸センターが会場となり多くの人でにぎわうたじみ陶器まつり。水野さんは実行委員会メンバーとして秋の陶器まつりの打合せを重ねる中で器の直売店・美濃焼スクエアに出会いました。

 

「美濃焼スクエアには、地元で作られた業務用食器やタイル、作家ものが並び、作家活動を引退した社長さんたちの作品や多治見市陶磁器意匠研究所のポスターなどが保管してありました。まるで美濃の産業を体現するような場所。その点にポテンシャルを感じましたね。しかし、パートさんが一生懸命働いている状況に対し、売上の落ち込みや老朽化した環境の整備が行き届かない点に勿体なさは感じた。環境づくりや在庫の見せ方など、自分が店長になって売上を上げて、もっと良くする方法がないかと考え始めるようになりました」

 

多治見美濃焼卸センターの玄関口だった美濃焼スクエア

 

多治見美濃焼卸センターは、多くの卸商社が集まり、日本最大のやきもの産地の発展を支えてきたエリアです。美濃焼を全国へ届ける流通機能の近代化を目的として整備され、1973年には組合も設立しました。美濃焼卸センターの中心に位置する美濃焼スクエアは、多様な美濃焼を紹介するショーケースとして産地の魅力を発信する存在だったのです。

 

水野さんが美濃焼スクエアの可能性を見出している中、多治見美濃焼卸センター協同組合の会長から「美濃焼スクエアのスペースを借りてみないか」という提案が飛び込んできました。水野さんは「美濃焼スクエアとして残すのか、新しい場所をつくるのか」と悩んだ末、一度まっさらにして自分が手掛けるギャラリーを開くことを決意。

 

30年にわたって美濃焼やタイルを販売してきた美濃焼スクエアは2026年1月末に閉店し、新たな場として生まれ変わることになりました。

 

 

「自分がやりたいことを改めて考えた時にギャラリーだと覚悟を決めました。明確な答えやタイミングがあったわけではなく、全ては地続きでした」

 

実は2年ほど前から新しい場所を持ちたいと考えていたと話す水野さん。その理由には「多治見のまちには、まだ足りないものがある」と感じていたからなのだとか。新たな場所を構えた背景にも熱い思いがあります。

 

「まちの機運が高まっている中で、もっとみんなが集まれる場所、紹介したくなる場所が増えたらいいと思っていました。多治見のまちに面白い人が集まっているからこそ集まれる場所をつくらなきゃいけない。これはある種のお節介でもあり、まちに対する責任感のような気持ちもあります」

 

これから自分がやるべきことは何なのか。自分じゃないとできないことを考えていった先にあった答えは多治見で「ギャラリー」を始めることでした。

 

 

美濃焼卸センターに、花を添える気持ちで開催した企画展「Eden」

 

 

2026年6月12日にZUNO GALLERYはオープンしました。オープニングの企画展は、常滑を拠点に制作するアーティスト・東絵理さんによる個展「Eden」です。

 

東絵理さんは、1990年愛知県半田市生まれ。2013年に名古屋芸術大学美術学部洋画コースを卒業し、2015年にとこなめ陶の森陶芸研究所を修了。その後、愛知県常滑市で制作を続けています。

 

 

今回は、2026年頭に松坂屋名古屋店で行われた展示を再編集するかたちで企画されました。絵画の専攻から陶芸を選択した東さん独自の世界観には、ZUNO GALLERYに向けて描き下ろした絵画や新たに制作したオブジェ作品も並んでいます。植物の装飾は、東さんと親交が深い静岡市の花店「花かん」が手掛けました。花々が芽吹き、生きものたちが集う楽園を思わせる空間が展開されています。

 

約150平米の広さのあるスペースに東さんのオブジェが並ぶ
オープニングレセプションで挨拶する水野雅文さんと出展作家の東絵理さん

 

「物流拠点の美濃焼卸センターに新たな花を添えたいと考えました。にぎやかさと華やかさをもたらすためには東さんの作品が相応しい。美濃焼卸センター、美濃焼スクエアを運営してきた人への感謝の気持ち、自分の新しい場に花を添えてもらうという意味で“楽園”を意味するテーマのEdenはピッタリだったと感じています」

 

今後もZUNO GALLERYでは美濃に限らず全国各地の作り手やアーティストの展示を行っていきます。

 

 

多治見のまちの新たな選択肢となる「ZUNO GALLERY」

 

 

美濃焼卸センターの中心にあった美濃焼スクエアは、人とやきものが出会う入口として、多くの来訪者を迎えてきた場所でした。ZUNO GALLERYには、すでに県外からも多くの人が足を運んでいます。新町ビルや水野さんのことを知らない人もたくさん訪れてくれているそうです。ZUNO GALLERYの在り方と可能性についても触れました。

 

「分かりやすくするために“ギャラリー”と名乗っていますが、役割はそれだけに限りません。新町ビルが“ショップとギャラリーの間”だとしたら、ZUNO GALLERYは“ギャラリーと美術館の間”のような存在でもありたいと思っています。どっちつかずかもしれないけれど、どちらの在り方も大切にしたい。僕自身、いつか美術館のキュレーションをしてみたいという思いもあるので目標に向かうための一歩になるといいですね」

 

 

また、水野さんは東美濃のクラフトイベント「CCC」やアートプロジェクト「土から生える」の実行委員長でもあります。さまざまな活動を続けてきた水野さんの視点で地域に対する思いについても語ります。

 

「“場所を持つ”と手を挙げることはすごく大事なこと。場所を通じて人が集えるようになり、オープン準備も経て多くの人に助けられる機会にも恵まれました。それもこの数年で生まれた人とのつながりがあるからこそ。今後は、より一層若い世代とも関わっていきたいです」

 

新町ビル同様、ZUNO GALLERYのまわりに新規出店を増やしていきたいという展望も。水野さんは加えて、多治見に来たことがない人、まちに魅力がないと思っている人に届けたい思いがあります。

 

「まちを大きく変える必要はなく、多治見にはすでに魅力があります。それらをどう組み合わせて見せていくのか?まちを編集し、選択肢を増やしていくことが重要です。体感や体験がまちの魅力をつくっていくと信じています」

 

 

ZUNO GALLERYは多治見インターからのアクセスも良く、東栄町の「ギャルリももぐさ」や小泉町の「スペース大原」といったギャラリーの中間点に位置します。「多治見に来てくれた人の新しい巡り方になってほしい」と話すように市内北部エリアの新スポットとしても注目したいです。

 

産地の歴史と営みが積み重ねられた場所を受け継いで生まれた、新たなアートギャラリー。やきもの文化だけではなく、工芸やアートを通じた交流も生まれていくでしょう。また、地域に開く場所でありたいと話す水野さん。イベントスペースとしての活用や貸し出しも検討しています。

 

ZUNO GALLERYとして最初の展覧会・Edenの会期は、7月5日(日)まで。

 

 

ZUNO GALLERY

住所:岐阜県多治見市旭ケ丘10-6-33

営業時間:11:00〜17:00

定休日:火曜、水曜、木曜

駐車場:あり

関連リンク Instagram  https://www.instagram.com/zuno_gallery/

 

撮影:加藤 美岬

ZUNO GALLERY

岐阜県多治見市旭ヶ丘10-6-33
https://www.instagram.com/zuno_gallery/

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