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例) 多治見 まち イベント

場所  2022.12.13

「文化祭を続けているような楽しさ!」文化芸術の力で市民を結ぶバロー文化ホール 文化事業への思い

あっつう度

多治見市十九田町にある文化施設「バロー文化ホール(多治見市文化会館)」。多治見で生まれ育った人なら「小学校の音楽鑑賞で訪れた」「ピアノの発表会で演奏した」など思い出深い場所ではないでしょうか。1981年に開業し、40年間地域に愛されてきたこのホールは、全面改修工事中。2023年1月に新たに生まれ変わります。

 

バロー文化ホールの特徴とも言えるのが、個性豊かな自主企画! スタッフたちが知恵を絞って作り上げる企画への思い、リニューアル後の施設について宮嶋浩館長にお話を伺いました。

 

 

出張コンサートや演劇WS、オリジナリティあふれる企画が満載!

 

大ホール、小ホールを中心にコンサートや演劇、講演会などが開催されているバロー文化ホール。とある市民調査でも「今まで訪れたことがある」と答えた人が80%を超えており、コロナ禍以前は年間約20万人が利用していたそうです。

 

クラシックやポップスなどプロの音楽家によるコンサートが数多く行われている印象がありますが、宮嶋館長を始めとするスタッフたちで考える「自主企画」にも力を入れているのが当施設の特徴。

 

 

「中学や高校の文化祭をやり続けているような感覚」と笑う宮嶋館長は、1999年に配属。2015年、館長に就任してからも変わらず積極的に動き、人と人をつなぎながら企画を生み出しています。

 

「僕らは音楽や生涯学習の専門的な教育を受けていません。専門家の人たちと信頼関係を築き、それをどうやって市民に橋渡しをしていくのか。それが役割だと思っています。例えば、演奏家の魅力をどのように伝えていくのか、市民がどのように関わることができるかを考えて動いています。最近は、スタッフのこだわりや思いがお客様に届くようになってきたと実感しています。他市からも参考にさせてほしいといった問い合わせをいただくようになりました」

 

 

自分たちも楽しみながら企画している、と話す宮嶋館長やスタッフの熱量が伝わる自主企画の一部を開催当時の写真とともにご紹介します。

 

 

市民参加の音楽イベントも数多く開催。この写真は公募で集まった市民合唱団と多治見市交響楽団によるコンサート。市民合唱団は、1月~6月までの6か月間、陶都楽友協会からの指導を受け、大ホールで披露。20年続いていた企画ですが、現在はコロナ禍で休止しています。

 

 

 

バロー文化ホールの夏の恒例イベント「こどもパーク」の様子です。7月末、花火大会の前日に開催されていました。2021年は、海がテーマ。この時のイベントには、1,000人以上が集まり大盛況。子どもたちは地元作家に指導してもらい、ビニールや段ボールを使って海の生き物をたくさん作り、文化ホールの真ん中にあるガラス張りの中庭を水族館と見立てて飾り付けをしました。

 

 

この時ホールでは「0才からのおんがくかい~さあ出かけよう!海のぼうけんへ~」と題し、海の中の世界を表現したコンサートも行われていたそうです。演奏家とスタッフがオリジナルな発想で作り上げた舞台では、演奏家が子どもたちのすぐ近くまで迫っています。

 

 

 

演劇にまつわる企画も活発です。今年2月に上演を予定していたのは「たじみ思い出ドラマ 2022」。現役高校生たちが書いた作品を舞台化する企画です。ワークショップでは、名古屋市出身の芥川賞作家・諏訪哲史さんから直接指導を受け、技術的な文章の書き方を学び、各自で短編小説の執筆に取り組みました。

 

脚本家とのワークショップでは、多治見西高校・演劇部や放送部の生徒たちが、多治見市出身の劇作家・川村ミチルさんの授業に参加しました。コロナ禍の影響で、文化ホールでの上演は叶いませんでしたが、2023年の上演に向けた計画が進んでいるそうです。

 

 

子どもたちとアーティストをより近くで結ぶ企画「出張文化ホール・アーティストがやってきた」は、特別な空間のなかで、子どもたちとアーティストが双方向の交流を行いながら、たった一つのドラマをつくります。今年11月にも、国内外で活躍されているソロギター奏者・井草聖二さんが学校を訪れました。井草さんは「子どもたちにとって人生で初めて聞くコンサートはこの時間かもしれない。責任感を持ってやっていきたいですし、音楽が好きな人になってくれたらうれしいですね」と話します。2022年は小・中学校で合わせて11校で開催され、学校の思いも取り入れながら企画を立てているそうです。

 

 

 

鑑賞だけではなく、自身で演奏できる機会も生み出しています。ドラムやギターを文化ホールで揃え、子どもたちも参加できる講座や、連携協定を結ぶ名古屋音楽大学の学生がヴァイオリン、トランペット、マリンバなどを教えてくれるワークショップの企画も行っています。また「ピアノ開放DAY」と称し、文化ホールのコンサートで実際に使用されているグランドピアノを使って演奏するイベントも開催されています。

 

 

たくさんの感動を提供できる場であり続けたい

 

 

子どもたちや若い世代が音楽などの文化に触れる機会を積極的に作ってきたバロー文化ホール。改修後に目指すプランを宮嶋館長は「これから先の40年間を考え、若い人たちとの関わり方にさらにウエイトをおきたい。子どもたちや若い演奏家が活躍する企画をたくさんつくることや、鑑賞事業は若い人が気軽に訪れてもらえるように、U25の(25才以下)料金を設けていく」と話します。敷居の高さを感じない身近な企画も多いため、コロナ禍で減ってしまった音楽鑑賞に触れる機会になるのではないでしょうか。

 

リニューアルされるホールには、タイル製の席番プレートも

 

バロー文化ホールが再始動するのは、2023年1月8日(日)に行われる多治見市の「はたちの集い(旧成人式)」です。改修後は大ホール、小ホールともに客席の幅を広げて、ゆったりと座れるようなシートになります。音響や照明も変わります。ホール内のバリアフリーも進み、車いす席は10ブースと倍以上に増えました。

 

また、女性トイレの個室数が増えて、授乳室も新設。トイレも含め、各所に地元のタイルを使った装飾がふんだんに施されています。しかし……内部の様子は、まだ情報解禁前。館内各所の工事の様子は、InstagramFacebookTwitterなどバロー文化ホールのSNSをチェックしてくださいね。

 

 

リニューアル後はさまざまなイベントが続きます。2023年2月・3月に「ピアノ開放DAY」が開催されます。「ウイーンの至宝」とも名高いグランドピアノ・ベーゼンドルファーの響きを、新しくなったホールで体験することができます。参加料は1,500円(1枠 55分)。どなたでも参加できますが(小学生以上のピアノ経験者)、2月25日(土)は25歳以下限定の枠を設けています。

 

また、来年3月19日(日)~25日(土)には「まるごと1週間音楽の日 in たじみ」を開催。期間内で行われる「世界の楽器博物館」の企画では、市民から寄贈された世界中の楽器に触れることができます。名古屋音楽大学の打楽器アンサンブルによるワークショップや楽器解説も行われます。

 

40年間市民に愛されてきたバロー文化ホール。ここから先の40年も、新たな企画を創出し文化の懸け橋になっていくはずです。今後も幅広い企画が展開されていくので、ぜひ気軽に足を運んでみてくださいね。最新情報は各種SNSとホームページをチェック!

 

※バロー文化ホールは2023年1月7日(土)まで休業中
バロー文化ホール(多治見市文化会館)

5070039
十九田町2-8
TEL 0572-23-2600
https://www.tajimi-bunka.or.jp/bunka/

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