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例) 多治見 まち イベント

もの 場所  2023.10.06

多治見で愛されるローカルストアを突撃!vol.6 お茶の富士静編

あっつう度

これまでA2編集部が取り上げてきたローカルスーパーは5店舗。店ごとにこだわりがあふれていました。多治見市内にあるのはスーパーだけではない!生肉店、青果店、お茶専門店、生花店など専門店も調べてみるとたくさんある。「気になるけれど、何も知らずにお店に入るのは少し勇気がいるなぁ」と思われがちな専門店ですが、豊富な知識を持った店員さんによる接客で商品が購入できる。そんな贅沢で新しい世界が広がる買い物時間を味わえます。

 

6店舗目となる今回は、多治見市にあるお茶専門店・(有)富士静製茶所の取締役、日本茶インストラクター・坂﨑史麻さんに店の由来やお茶について取材しました。

 

祖父・曽祖父の時代から続くお茶専門店

 

昔はお茶の葉が入っていた茶箱

「生まれた時からお茶屋の娘でした」と話す坂﨑さんの祖父・曽祖父が開業したお茶の富士静は今年で創業75年を迎えます。祖父は静岡県静岡市の山奥にある茶畑の出身。戦争の疎開で多治見に来たことをきっかけに、静岡出身で茶葉の知識もあることからお茶専門店を開業したそうです。故郷の静岡から製茶所は「富士静製茶所」、店舗は「お茶の富士静」と名付け、まちの人に親しまれています。

 

30年以上使用している秤、現在も利用しています

坂﨑さんの祖父が経営していた頃は現在の店舗の場所に製茶工場があり、製茶(※1)された茶葉は小泉の詰め場(事務所)で袋詰めを行い卸していて、今のようなお茶の販売は行っていなかったそう。時代の流れもあり製茶業をやめ、お茶の販売所として現在の地にお店を構えたのが30年ほど前。現在は、坂﨑さんと姉の楓 有希子さんの二人で仕入れから配達、茶葉の合組(※2)、販売までを行っています。

 

※1 製茶
荒茶(茎や葉が混ざり合っている状態。水分含量が5%ほどのもの)に火入れ作業を行い、茶葉の水分含量を約5%以下にすることで香りと旨さを引き出す工程。
※2 合組(ごうくみ)
さまざまな産地や生産時期が異なる茶を組み合わせること。ブレンド。

 

全国茶審査技術競技大会の認定証

「父が亡くなっても、お茶を求めに来るお客さんは大勢いる。お客さんのためにも営業を続けたいから茶の仕入れについて学びました」と坂﨑さん。当初はお茶の知識は全くなかったそうで、知識を身につけるために専門書で調べたり、製茶問屋さんにさまざまな話を聞き、お茶の勉強をしたそうです。

 

今では、若手の茶業者がお茶の鑑定技術を競う「全国茶審査技術競技大会(通称:闘茶会)5段」、一般の人でも受験可能な「日本茶インストラクター」の資格を取得し、おいしいお茶の淹れ方をお客さんに伝えています。

 

 

お客さんと一緒に好みのお茶を見つける

 

店内には約50種類のお茶が販売されている

お茶専門店に行くとずらりと茶葉が並んでいて、迷うことが多いと思います。

お客さんの中には「おすすめのお茶は?」と訪れる人も。

 

「最初にお茶の好みを聞き、それでもお客さんが迷っていたら、どんな商品を探しているか(価格・量・自宅用・贈答用・苦味が強い・甘味があるといった味の好み)を含め、おすすめのお茶を試飲してもらう。試したお茶が苦手だったら、また違うお茶を勧める。その繰り返しで、お客さんに合ったお茶を選んでいきます」と坂﨑さん。お客さんが心から気に入った茶葉を購入してくれることが何よりうれしいとやりがいを話してくれました。

 

500円(税別)ごとに1つのスタンプがもらえる

店では、「この間勧めてくれたお茶、おいしかったわ」と話すお客様の姿を見ることも。

「何回か足を運んでくれるお客様は、いつもこの製茶問屋さん茶葉を購入しているから大体あの味が好きでこの茶葉を選ぶだろうな」と、姉妹で経営しているからこそ顔を覚えた接客ができると教えてくれました。その人の好みにあった茶葉を提案できるようにスタンプカードに手書きで購入商品をメモするなど坂﨑さん姉妹の思いやりを感じます。

 

富士静オリジナルのかぶせ茶「瑞雲(ずいうん)」

かぶせ茶「瑞雲」は富士静オリジナル。毎年三重県の製茶問屋に配合を依頼し、坂﨑さんが試飲しながら、昨年のお茶の味に似たものを作り上げています。製茶問屋と共に外観や内質審査を行いお茶の配合比率を変え、昨年の味に近づけているそう。一袋のお茶に大きなストーリーが隠されているのです。

 

抹茶を点てる道具や抹茶茶碗なども取り扱っている

富士静では、他にも抹茶や抹茶を点てる道具なども販売しています。手間がかかりそう、点てるのが大変そうなイメージがある抹茶ですが、茶の葉で入れるお茶と違って茶殻が出ないのでゴミ捨てが省けるので、一度抹茶にハマったら毎日飲む人もいるそうです。

 

 

ほっと一息。そんな時間をお茶とともに味わって

 

 

近年はペットボトルの普及により、急須を使ってお茶を淹れる人も減少しています。忙しい日々の中でも、急須でお茶を淹れて少しゆったりとした時間を作ってみては。ペットボトルでは味わえない香り、旨味に思わず「ほっ」としますよ。実際にお茶の成分に含まれるアミノ酸類のテアニンにはリラックス効果があるのだとか。

 

お茶請けも京都のお菓子を季節に合わせて販売。取材時は秋の紅葉、くり、柿

お茶といえば和菓子も欠かせません。富士静では、季節の京菓子も販売しています。年配の方だけでは無く、さまざまな年代のお客様にもお茶を飲んでほしいという思いから、フレーバーティーなどの取り扱いも始めました。

「何かをきっかけにお茶に関心を持ってくれる人が増えて、お茶がおいしいと思ってくれる人が増えることがうれしい」とお茶普及のためにも、今後も長くお店を続けていきたいと話す坂﨑さん。

 

まずは一度、気軽にお店を訪れてみてください。坂﨑さんの案内であなた好みのお茶が見つかること間違いなしですよ。

 

 

おすすめ!おいしい水出し緑茶の作り方

 

 

急須でお茶を淹れるのはハードルが高いけど、水出しなら簡単!楽チン!分量さえ守れば、誰が入れても同じ味にできる!

 

温かいお茶よりも酸化のスピードが遅いので、色の良さもポイント。冷たいお茶が好まれる夏場でも同じ茶の葉を使って水出しできるので、年間を通して同じお茶を冷たい味、温かい味で楽しむことができます。

 

◎水出しの作り方◎

必ず冷蔵庫で保冷してください。

温かいお茶は茶種で淹れ方が異なります。お茶の富士静にてお聞きください。

①水をペットボトルに入れて冷蔵庫で冷やしておく

②500mlに対してお好みで(約15g)の茶葉を入れる

100g1000円以上のお茶だと、旨味・甘味がより深くなる水出しがおすすめ

③ペットボトルのキャップ部に「チャッティー」※3を装着し、キャップを閉める

④2、3度シェイクして約1時間(冷蔵庫で)経過後、完成

注ぐ際はポットやグラスを揺らして、下に沈殿した旨み成分を均一にするのがコツ

 

※3使用製品「chattea(チャッティー)」(ペットボトル用茶こし器、製造販売元:工房カワイ株式会社)
お茶の富士静で販売中

 

■(有)富士静製茶所  お茶の富士静

【住所】多治見市金岡町1-65-1

【電話】0572-22-8500

【営業時間】平日/9:00〜18:30  土日祝/9:30〜18:00

【定休日】第二・第四日曜日

※お茶の試飲は状況により、できない場合があります。

お茶の富士静

多治見市金岡町1-65-1
TEL 0572-22-8500

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