誰もが輝く、まちに拓いたファッションショー 今年で最後となる舞台とアンファッションカレッジの思い
2026年2月22日(日)、多治見市産業文化センター 大ホールでアンファッションカレッジのファッションフェスティバルが開催されます。アンファッションカレッジは、1940年に土岐市で開校。その後、多治見市上野町(現在の地)に新校舎を建設し、移転しました。長年、東濃地域で高度なファッション教育を培ってきた服飾専門学校です。
ファッションフェスティバルは多治見市で2年ごとに開催し、毎回満員になるほど人気のショーですが、コロナ禍の影響もあり今回は3年ぶりの開催となります。開催を目前に控えたアンファッションカレッジの安藤貴久子校長を取材。学校の歴史や生徒とファッションへの思い、生徒たちの作品だけにとどまらないファッションフェスティバルの見どころを紹介します。
多治見のまちを巻き込んで、市民モデルも舞台で輝くファッションショー

多治見市上野町に校舎を構えるアンファッションカレッジは、1940年に土岐市で「土岐津洋裁学校」として開校。2000年には現在の新校舎が完成し、専門課程、一般過程に加え、高等課程ファッション総合科を開設し、現在に至ります。岐阜県東濃地方で長年、ファッションの縫製をはじめ様々な技術と自由な発想を伝え、ファッション業界で活躍する多くの生徒たちを輩出しています。
今回、お話を聞いたのは安藤貴久子校長です。デザインや洋裁の授業はもちろん、ファッションショーに向けたウォーキングレッスンまで直接指導しています。まずは、ファッションショーの開催経緯について伺いました。

多治見市産業文化センターで大規模なファッションショーを行うようになったのは、1994年。コロナ禍では開催を見送りましたが、これまで2年に一度実施してきました。他とは異なる特徴の一つとして、多治見のまちを巻き込んでいる点が挙げられます。市民モデルの公募や地元で活躍する陶芸家とのコラボも積極的に行っています。
「ショーのモデルを経験することによって、新しい自分の魅力を引き出すことができる。そう感じられる人を増やしたいという思いから、市民モデル参加のショーの開催を続けています」と安藤校長は熱を込めて話します。

過去には、市之倉さかづき美術館で美濃焼にからめたファッションショーを開催。多くのロウソクが灯る幻想的な野外のランウェイ。幸兵衛窯の加藤亮太郎さんをはじめとする陶芸家もモデルとして参加しました。普段、ファッションに関心の薄い人たちも多く来場し、ファッションでライフスタイルを豊かにするという、ファッションの持つ力、ファッションの魅力を広く知ってもらうきっかけとなったそうです。
まちに拓いたショーという、地域貢献のかたち

また、今年のファッションフェスティバルでは、さらなる地域連携が生まれました。それは、企業協賛です。
毎回、ファッションショーには本格的な照明や音響機材を使い、重厚なランウェイを組み、舞台演出も入れてプロと同じような環境をつくり上げています。しかし、近年の物価上昇により開催が危ぶまれる状況に陥っていました。そこで「もっと多治見のまちを巻き込もう」と声掛けがあり、多治見市役所 商工観光課が主導で進めたところ、多治見市内の企業を中心に30社以上から協賛が集まりました。
【協賛企業(受付順)】
陶都信用農業協同組合、七窯社、住ま居るグループ、株式会社SMC-POWER、京陶窯業株式会社、株式会社金正陶器、ヤマカ陶料株式会社、ヤマカ株式会社、ヤマカ興産株式会社、株式会社モンナトリエ、株式会社丸モ高木陶器、株式会社セクテック、ダイキャスト東和産業株式会社、林酒造株式会社、社会福祉法人美徳会、花の倶楽部、Fashion lab, caserasala、多治見ききょう法律事務所、幸兵衛窯、株式会社織部、川村製紐工業株式会社、イワト―株式会社、N style ENGINEER、税理士法人アイオン、株式会社Ricca、有限会社美風陶苑、ラ・メール・ブランシュ、Filvoir、喜山窯、三千盛、前畑株式会社、鶯山 矢野製陶所
後援:多治見市、多治見市教育委員会
協力:Tuuli、幸兵衛窯、七窯社、たじみDMO
このように陶磁器産業の企業だけでなく、多種多様な企業や個人店からの協賛が集まるという異例の事態に。全く予想もしない状況に安藤校長も驚いたのだとか。

「ランウェイの歩くのは生徒や市民モデルの皆さん。より作品を美しく魅せるために、舞台や演出はこだわり抜いています。これまでも “多治見でこんな素晴らしいショーが見られるなんて!”と感動の声を寄せていただいています。多くの協賛が集まり、ここまでいろんな方が応援してくださっていたのだと驚いています」
まちとの深いつながりが生まれたのもアンファッションカレッジが長く続けてきた“地域に拓いたショー”という地域貢献が評価されたからこそ。行政や地域との結び付きによって、まちぐるみのファッションショーが開催されることになったのです。
生徒たちの作品を本格的なランウェイで披露。サステナブルなファッションブランド「Tuuli」のショーも

ファッションフェスティバルは2部制で行われます。第1部は、ファッションブランド「Tuuli」(トゥーリ)のファッションショーです。Tuuliはフィンランド語で「風」を意味する言葉。品質にこだわり抜いたメイド・イン・ジャパンの生地。着る人を選ばない、ユニセックスでタイムレスなデザイン。無駄を出さないサステナブルなものづくりのライフスタイルブランドです。
シャープで洗練されたTuuliの衣装を着用するのは、男女の市民モデル30人。今回も陶芸家や多治見市陶磁器意匠研究所の職員、多治見のまちで働く人たちや市民がランウェイを闊歩します。
「まだまだ多治見のファッション意識は低く、中には“陶器のまちだからファッションは関係ない”という声を寄せられたこともありました。しかし、陶磁器産業をより広げるにはライフスタイルの視点は欠かせない。洗練されたTuuliのデザインを、ぜひ器やタイルの世界に取り入れてほしいです」と安藤校長。

第2部は、アンファッションカレッジの学生によるファッションショー「Beginning」です。生徒たちが思い思いにデザインした一着を制作し、グループごとにテーマを設定しました。長い時間をかけて、ショーを目指し作品を向き合ってきた1年生から3年生の生徒たち。デザインやシルエットのチェックにも安藤校長は積極的に関わり、ブラッシュアップに余念がありません。


作品を身にまとってスポットライトを浴びるのは、制作した生徒自身。ランウェイで作品がより映えるように、ウォーキングレッスンや表情まで細かく指導しているのだとか。また、第二部では全国のコンテストでの受賞作品や、ファッション業界で活躍する卒業生の作品も披露されます。
「いつからでも、誰でも輝ける」ということを知ってほしい

ファッションで多治見のまちに賑わいをもたらすことを大切にするファッションショー。安藤校長に、ショーの開催に向けた思いについて伺いました。
「舞台に上がる人たちは、日常とは違う自分になって輝いています。輝く姿を見て、誰でも輝ける!ということを知ってもらいたいです。今回のショーを通じて舞台と客席が一体となり、ファッションが人をイキイキさせることを体感できると思います」

また、ファッションを楽しむ心意気、日々の生活を豊かにする考え方についても安藤校長の視点があります。
「贅沢にお金をかけること=オシャレではありません。例えば、違った世界観を表現できる洋服を着てみることで、まだまだ気付いていない自分の魅力に出会うはず。きっと日々の生活が豊かになりますよ」
多治見市産業文化センターで行う大規模なファッションショーは、今回で最後になります。しかし、今後もまちとつながりながら、ファッションを発信していけたらと安藤校長は前向きな意気込みを伝えてくれました。
ぜひファッションフェスティバルに足を運んで、目の前でファッションの持つエネルギーを浴びてみてはいかがでしょうか。
■アン ファッションカレッジ Fashion Festival in Tajimi 2026
【日時】2026年2月22日(日)開演 14:00~(開場13:30~)
【会場】多治見市産業文化センター 5階 大ホール(多治見市新町1-23)
※入場無料(定員 700人)
【問い合わせ】
アン ファッションカレッジ
住所:岐阜県多治見市上野町1-96
電話:0572-22-9341(平日 9:30~17:30)
Instagram https://www.instagram.com/annf2.000/
