多治見で愛される逸品を突撃!vol.1 すぎさん養蜂
多治見市内で作られている特産品。大切な人に渡したいお土産。まだ知られていない逸品はたくさんあります。
今回は、多治見市観光協会が運営する多治見市PRセンターで2023年3月から取り扱っている、すぎさん養蜂のハチミツについて取材しました。スタッフやお客さん共にリピーター続出の人気商品です!

お話を伺ったのは、理容室「理容 杉山」と養蜂「すぎさん養蜂」の二足の草鞋を履く杉山博(すぎやま ひろし)さん。(以下すぎさん)
P Rセンターから徒歩5分ほどの場所にある理容杉山は、すぎさんの父が昭和28年に創業。高校卒業後、県外の理容店で修行をしたすぎさんが21歳で2代目として家業を継ぎました。現在は息子さんが3代目として店を続けています。
すぎさんの奥さん、息子さんを含めた3人で家族経営しており、全員が理容師の資格を持っています。カットから顔剃り(シェービング)までも行うことができるため、男性だけでなく女性の常連さんも多いのだとか。

店内を覗くと、至る所に鳥の木製オブジェが飾られています。さまざまなことを手掛けるすぎさんは手先がとても器用。休日は鮎釣りに行くなど多趣味なすぎさんが、趣味のひとつとして養蜂を始めたのは今から12年前のことです。今回は実際に養蜂している場所を取材させてもらいました。
3年間、失敗し続けた養蜂が今では販売できるように
多治見駅からホワイトタウン方面へ車を走らせて15分。竹藪を自ら伐採し土地をならした場所にすぎさん養蜂はあります。
最初に取り組んだのは日本ミツバチの養蜂。巣箱は、東北で養蜂を営む人のYouTubeを参考にして作ったそうです。始めて早々、3つの巣箱のうち2つに蜂が住み着き、蜜を試しにぺろっと舐めてみたら、とてもおいしかったそう。そこから他の養蜂家との交流を通じ、現在では販売商品の半数を占める西洋ミツバチの養蜂に取り組みも始めました。ミツバチは群れを作って生活します。現在、西洋ミツバチは10群、日本ミツバチは7群の蜂群が暮らしているそうです。

養蜂は全くの初心者だったすぎさんは、はじめてから3年は冬越し(※1)を失敗し蜂が全滅。ハチミツを獲ることは全くできませんでした。それでも友人の養蜂家のところに勉強に行ったり、YouTubeを見るなど勉強と試行錯誤を重ね、4年目にようやく採蜜(※2)できるようになりました。「苦労して採れたハチミツは格別です!とにかくおいしい」とすぎさんは満面の笑み。
※1 冬越し ミツバチは働き蜂と女王蜂が身を寄せ合い温め合いながら冬を越す。
※2 採蜜 ミツバチが巣に貯蔵した蜜を採取する作業。
養蜂家すぎさんの採蜜作業をレポート
理容室の店主として週5日働くすぎさんの日常は大忙し。養蜂場に出かけ、どんな作業をしているのでしょうか?A2編集委員のりさぼんが実際に作業を見学させてもらいました。
○作業体験1日目
理容室の定休日となる月曜の早朝から作業は始まります。欠かさずやる作業は女王蜂の所在や産卵の確認など。ハチは寒さに弱いため、兵隊(働き蜂)が身を寄せ合って35度を保ちながら巣箱の中で過ごしているそう。そのため、兵隊が少ないと産卵も進まず、ハチが増えないためハチミツが採れなくなってしまいます。

ハチのご飯も手作りで、ビール酵母と砂糖とプロテインを調合してエサにしているそうです。作業をしているとハチがかわいく見えてくるとすぎさん 。
○作業体験2日目
最大のイベント「採蜜」。この日は4年ぶりとなるさくらのハチミツを採蜜しました。燻製機の煙でミツバチをおとなしくさせてから、巣箱から巣枠を取り出し、蜜蓋を取り除き、遠心分離機に巣枠を入れます。
理想の糖度は79度前後。早まって採蜜してしまうと、熟成されていないので発酵してしまう恐れがあるそう。採蜜の見極めもとても難しそうです。遠心分離機をまわすとハチミツが巣からあふれ出してきます。
「1つの群から25キロ程度のハチミツを採ることが出来たら最高」と話すすぎさん。この日は約20キロのさくらのハチミツが採れました。その年のハチの動きや、花の開花によっても左右される養蜂はまだまだ奥が深そうでした。
岐阜県ハチミツ共進会アカシアの部で金賞受賞したハチミツ

岐阜県内の養蜂業者のハチミツの品質を競う審査会で「令和5年度第33回岐阜県ハチミツ共進会アカシアの部 金賞」を受賞したすぎさん養蜂。ハチミツ共進会は岐阜県養蜂組合連合会主催で、岐阜県内の養蜂業者のハチミツの品質を競う審査会で毎年10月に開催されています。アカシア、そよご、レンゲなど種類別に審査員が糖度や色合い、風味を審査します。
販売まで始めたハチミツをせっかくなら岐阜県の養蜂家が参加する品評会に出品してみたいと令和5年度のアカシアの部に参加し見事受賞しました。賞を受賞したこともあり、今では作業工程と管理方法などを学びに来る人もいるそうで、今までに養蜂を教えた人は20人を超えます。

「受賞の結果が来たときには、それはうれしかった。周りからは1回目の出品から金賞が取れることなんてほとんど無いからすごいなと言われました。これも蜜を集めてくれたハチのおかげです」と笑顔のすぎさん。
最初は自宅で消費する分だけのハチミツが採れたらうれしいという気持ちで始めた養蜂が、今では多治見市内の数店舗で販売されるまでに。その過程には、すぎさんのハチへの愛と、理容店と養蜂を忙しくこなす、すぎさんの努力がありました。
さくら、アカシア、そよご、ハゼ、百花と花の開花時期に合わせて味も変わるハチミツ。6月はアカシア、そよごのハチミツが各店舗にて販売を予定しています。ぜひ一度召し上がってみてください。
すぎさんのおすすめ!おいしいハチミツの食べ方
ハチミツはそのまま食べてもおいしいけれど、養蜂家のすぎさんオススメの食べ方が気になる!ここでは実際にすぎさんがハチミツレシピをご紹介。
【バナナチップのハチミツ漬け】
①市販のバナナチップ(無糖)を購入 ※無糖がなければコーティングありでもおいしいです
②空の瓶にバナナチップを入れて、ハチミツをたっぷりかける(バナナチップ全体が浸かるくらい)
③約1日漬ける
④ヨーグルトなどにかけて頂く
*バナナチップはドライフルーツ、ナッツ、レーズンでも代用可
■すぎさん養蜂 ハチミツが購入できる店
〈住 所〉多治見市平和町2-123-1
〈定休日〉月・火
〈住 所〉多治見市広小路4-12
〈定休日〉火・水
〈住 所〉多治見市三笠町4-13
〈定休日〉S N Sをご確認ください
〈住 所〉多治見市本町5-9-1 陶都創造館1F
〈住 所〉多治見市音羽町2 多治見駅2F
■すぎさん養蜂/理容 杉山
下記詳細は「理容 杉山」
【住所】多治見市広小路4-21
【電話】0572-22-2492
【定休日】月曜日
【時間】8:30〜18:00
507-0833
多治見市広小路4-21
TEL 0572-22-2492
https://www.ob.aitai.ne.jp/~sugiyama/