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例) 多治見 まち イベント

こと  2024.11.26

本町オリベの「ちょっと一服。」 ―モザイクタイルアーティスト 中村ジュンコ―

あっつう度

慌ただしさが少し落ち着き、時計を見上げて「あぁもうこんな時間か、ちょっと一息入れようかな」と手を止める時間。本町オリベの「ちょっと一服。」は、本町オリベストリートに関わる人たちの一服の時間をお借りして、他愛のないおしゃべりを切り取っていきます。おしゃべりの中から垣間見える「人となり」を、お茶を片手にお楽しみいただければ。

おしゃべりのお相手は、目指せ本町オリベストリートの御用聞き!ぱんちゃんです。

 

 

 

あれもこれも、わたし。

 

中村さんに初めてお会いしたのは、まだ夏が本気を出す少し前。ちょっとした空き時間にたまにお邪魔するカフェに立ち寄った時のことでした。

 

「モザイクタイルアーティストの中村ジュンコさんだよ。ほら、タイルピアノの」とコトラコーヒーの佐橋良彦・ 里香さんご夫妻から紹介され、あ!あの中村ジュンコさんだ!とびっくり。鎌倉から多治見を訪れていた中村さんは、お会いした瞬間からはじけるような笑顔で、「わたし今度こちらで個展をさせていただくんです。ぜひ遊びに来てくださいね!」と声をかけてくださいました。そこからお話が弾んで弾んで、ずっと笑いっぱなしで気が付くと1時間半。「あー、やっぱり多治見楽しい!帰りたくない!よし、連泊しちゃおう!」と中村さん。「いつもこんな感じだよ。おなかすいたー何か食べさせてーってフラフラでやって来て、一気に元気になって帰っちゃうの」 と、笑いながら里香さんが教えてくれました。

 

モザイクタイルアーティストの中村さんは、とにかくすごいパワーでお別れする頃には私までなんだか元気になっている。このパワーはどこから来るんだろう?もっとお話を聞いてみたい!と思ったのがきっかけで、今回おしゃべりさせていただいたのですが……

 

 

待ち合わせは個展開催場所のコトラコーヒー。11時にお約束をしていたので、少し前にお伺いしたら何やら中で大盛り上がり。どうやらお相手はコトラコーヒーのご常連さんのようです。

 

「えーーー!なんでここに番付表があるのーーー!おばあちゃんお相撲さんと繋がりがあるんですか!?すごいすごい、なんでー!」お相撲好きの中村さん、お相撲のお話ができるのがとってもうれしくて、もう感極まって涙まで出ちゃったみたいです。

 

 

――ご常連さんとは今日が初対面だったんですか?すごい盛り上がってましたね。

 

中村ジュンコ(以下、中村):そうなの。私お相撲が大好きで、コピーじゃない番付表なんて久しぶりに見たんです。これ東京じゃ縁起物で、なかなか手に入らないんですよ。こんなところで出会えるなんて本当びっくり。今日はもってる!いい日になりそう!

 

――私もご相伴にあずかれてうれしいです!

 

中村:ごめんなさいね、私いつもこんな感じで。本当は今朝少しどんよりしてたんだけど、一気に元気になっちゃった!私は祖母の影響でお相撲が好きになったんだけど、うちで使ってる食器はほとんどお相撲のものなの。多治見産のものも沢山ある。こんなところでも繋がってたんですね。

 

――多治見との繋がりはいつ頃からなんですか?

 

中村:もう10年くらいになるかな。タイルを始めて東京を中心に活動するなかで、色々サポートしてくださる方のご縁で、まず作善堂の水野さんを紹介していただいて。可笑しかったの、初めて多治見に行って笠原に向かうバスに乗ったんだけど、思ったより距離があって。作善堂に着いて第一声が「すみません、お手洗い貸してください!」って(笑)そこからどんどんと多治見に繋がりが出来て、タイル100周年(2022年、タイル名称統一100周年)の事業もお手伝いさせていただいて。

 

 

――タイル百年祭でお披露目されたタイルピアノですね。あれは本当にすごい!きちんと音が鳴って、ピアノとして成り立っているのが素晴らしいと思いました。ご自宅のある鎌倉で制作されたと聞きましたが……

 

中村:そうなんです。自宅が江ノ電のすぐそばで、狭い路地を通ってピアノを運び入れて。ピアノは解体できないので、タイル装飾をしたピアノをそのまま運んでもらいました。ピアノは楽器なので、その機能は絶対に守りたかった。調律師さんにも相談しながら制作を進めました。だから色んな人に弾いてもらいたい。なるべく美濃焼タイルの形を活かしたのもこだわりです。またタイルピアノには目地を入れていないので、子どもたちが触っても大丈夫なようにタイルの角をすべてサイディングしてあります。今はとうしんエールさんに置いてもらっていて、私の生徒さんたちも見にいったりしているようです。

 

――江ノ電のすぐそばのアトリエ、すごく良いロケーションですね。

 

中村:自然光のある時間でないと制作が出来ないので、制作は大体いつも16時頃までですね。電気をつけるとタイルに反射して色が全然見えないので。夜はもっぱら事務作業の時間です。制作は数日間集中して行う事が多いですが、移動アトリエすることもありますよ。

 

 

 

“バード”が生まれたきっかけ

 

 

――移動アトリエということは、場所を変えて制作されるんですか?

 

中村:もともと旅が好きで、ふらりと全国へ出かけて行くんです。 「自然に帰る」この感覚をとても大切にしていて、山へ旅することが多いです。そしてご縁ができると、そこへ「移動アトリエ」としてタイルや道具一式、デッサン用具を持参して、自然の中で制作することがあるんです。

 

――インスタグラムでもよく旅のお写真をお見掛けします。

 

中村:場所が変わると気分が変わって、新しいものが生まれることがあります。例えば私の代表作である“バード”ですが、私はもともと動物や生き物をモチーフにすることはあまり無かったの。でもある時に北海道での壁面制作のお仕事を頂いたことがきっかけで、少しづつ動物のモチーフを作るようになりました。場所が十勝だったので本当に見渡すかぎり人が居なくて(笑)、毎日動物たちとコミュニケーションを取っていたら自然とそうなったんです。あとコロナ禍も大きな転換期でした。閉塞感のあるこの場所から出たい、飛んで行きたいという気持ちと、それに拮抗するような希望を“バード”に託したのかもしれません。今も少しづつ作風は変化していると感じていて、ちょっと原点に舞い戻ってきている感じもする。

 

――作品を生み出すうえで大切にしていることは何ですか?

 

中村:作品を受け取る人との関係を大切にしていますね。元々絵を描いていたので、そこに素材としてタイルを使用し装飾する「タイルコラージュ」を生み出しました。 抽象的な雰囲気をこの手法で表現することで、強すぎない、誰かの日々に寄り添える抒情的な作品を生み出すようにしています。でもね、あるときタイル雑誌の編集者の方に言われたの。中村さんはタイルを使って小説のように文章を綴っているねって。

 

――もともと文章を書くのがお好きだった?

 

中村:私は子どもの頃から小説家になりたいと希望していましたが、時代でしょうか、父は「小説家=短命とか、病気になる?」みたいな印象を持っていたようで。物書きになりたい私の希望ははなから理解されませんでした。でも最終的に父とは理解し合えたんですがね。 建築家だった父の影響で、現在の仕事であるモザイクタイルアーティストになったので、私の中で父の存在はとても大きいです。

 

――中村さんのお話には、常に“人”が介在しますよね。ご家族も、お友達も。

 

中村:本当は人見知りなんですよ。なかなか新しいところに自分で飛び込んでいけないの。でもご縁があって繋がった人たちがさらに色んな縁を繋いでくれて、どんどん知っている人が増えていく。多治見だってそうです。作善堂さんとの繋がりからどんどん顔見知りが増えて、温かいご飯を食べる場所が増えていくのが本当にうれしくて。こうやって今コトラさんで……あ!ちはやさん!(作善堂の水野千早さんが登場)

 

作善堂 水野千早:お疲れさま!ご飯食べた?今日来るって言ってたから……ねぇ、ちゃんと話せた?インタビューになったの?

 

中村:ちゃんと作善堂さんとの繋がりの話もしたよ!ほんと、お世話になってますって。そうだ、あの話なんだけどね……

 

(左)モザイクタイルアーティスト.中村ジュンコさん、(右)作善堂の水野千早さん

 

 

本当に今日はもってる日!笠原町でタイルシンクを制作する作善堂の水野さんとコトラコーヒーの佐橋さんご夫妻も加わって、一緒に良い笑顔のお写真を撮らせていただきました。中村さんのパワーの源は、中村さんが少しづつ大切に大切に繋いできた人の縁なんだろうなぁと感じました。その一人一人がタイルの一片のようで、私もその一片に仲間入りさせていただけたような気持ちになってうれしかったです。また元気をもらいに行こうっと!

 

 

 

 

■中村ジュンコ モザイクタイル個展2024多治見 Xmas&New year

【場所】COTORA COFFEE(多治見市広小路2丁目56)

【日付】2024年11月30日(土)~2025年1月31日(金)

*11月30日、12月1日にはワークショップ開催

【時間】火、水、木、金  9:00~19:00(L.O.18:00)
土、日  9:00~20:00(L.O.19:00)

【定休日】月曜日・最終火曜日、12/30~1/3

※個展の詳細、在廊日などはこちらよりご確認ください。
※ワークショップの詳細はこちらよりご確認ください。

 

 

 

 

 

スパイスファクトリーあべべ「スパイスカレーパン」

 

 

前回の「ちょっと一服。」でおしゃべりした加藤さん、小島さん、小崎さんのオススメの手土産を持って行きました。

 

本町オリベの「ちょっと一服。」 ―穀雨茶会―

 

 

購入の際、「お召し上がりの際はぜひ温めて!」と教えてもらったので、レンジで温めてから軽くトースターで炙っていただきました。生地はもっちり弾力があって、中のカレーはピリ辛!甘さもあって、小腹が空いたときにぴったりなカレーパンでした。大人はそのまま、子どもには牛乳と一緒がオススメです!

 

スパイスファクトリーあべべ

【住所】岐阜県多治見市多治見市本町2丁目49-7(駅前店)

【営業時間】月、火、水、木、日 11:00~22:00

金、土 11:00~0:00

 

次回は中村さんオススメのお茶菓子を持って、どこかへおしゃべりに伺います。誰とおしゃべりしようかな。

 

 

 

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たじみDMO(本町オリベストリート事務所)

5070033
本町6-6
TEL 0572-21-2765
MAIL oribe@tajimi-dmo.jp
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