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例) 多治見 まち イベント

こと  2023.04.13

陶器の扱い方のコツ-PRODUCTS STOREに聞く、器の基礎知識

あっつう度

コロンとした湯呑みや程よい重みを感じる飯碗。土っぽさが残る風合いに魅せられて陶器を手に取っても躊躇してしまうのは、「繊細な上級者向けの器」というイメージがあるからかもしれません。

 

器使いのイロハを知ろうと検索すれば、気軽に読めるハウツー記事があふれ、その情報量に戸惑ってしまいます。でも、私たちが知りたいのはもっとシンプルなこと。今回の記事では、陶器を選んで購入し毎日のようにガシガシ使うなかで必要になる基本の知識をPRODUCTS STOREの店長・長山晶子さんに伺いました。

 

 

 

器を選ぶ基準は、生活スタイルと肌感覚

 

PRODUCTS STOREの開業に合わせて、大阪から移住した長山晶子さん

多治見駅南口から徒歩2分に位置するPRODUCTS STOREは、美濃焼の産地商社で土岐市に本社を構える株式会社ユープロダクツの直営店です。コロナ禍の2020年10月にオープンして早2年半。オープン当初は地元の人に「器は買うもんじゃなくて、もらうもの」と言われ驚いたと、長山さんは笑います。

 

 

1Fには、地元産地で作られている窯元の器が多く並ぶ
2Fには地元で活動する作家を中心とした陶磁器やガラス、木工作品がずらり

 

「忙しくて時間のないお客様や家族が多く洗い物の大変な方には、食洗機や電子レンジの使える1Fの窯元ものの器を、1点ものとの出合いを求める方には、2Fの作家ものの器をお勧めしています」

 

かつて日本の食卓は「一汁三菜」という基本形で構成されていましたが、食生活の変化した今、器選びで重視したいのは個々人のライフスタイルに合うかどうか。

 

家族が増えて何枚も手洗いするのが大変になったり、忙しいときには電子レンジで温められる器に助けられたり。確かに、せっかく自分の好みや家族のことを思って選んだ器がライフスタイルに合わず、生活の負担になってしまっては悲しいですよね。時には、大好きな作家もののマグカップでお茶をする時間が欲しい……といった願望もあると思います。だからこそ、それぞれの生活にフィットする器という視点が大事です。

 

 

 

もうひとつ器を選ぶうえで押さえたいポイントは、自分の手で実際に触れてみるということ。重さ・質感・厚み・自分の手とのフィット加減。どれをとってみても、心地よいと感じる基準は人それぞれ異なります。

 

「割れものだからこそ大事に扱っていただければ、作家ものでも遠慮なく手にとってみてほしい。PRODUCTS STOREはお子様連れでもウェルカムですよ。スタッフが折り紙などで遊んでお子様のお相手をすることも」

 

 

 

長持ちのコツは、使用前に器を5~10分ほど水にドボンとつける

 

さて、器を持って帰ったあと、高温で焼成され表面の焼き締まっている磁器は、そのまま軽く洗い流して使い始めることができますが、陶器はそうはいきません。

 

かといって、米のとぎ汁で器を煮沸する、いわゆる「目止め」の方法はオススメしないと長山さんは話します。なぜなら、米とぎ汁のでんぷん質が器を汚れから守ってくれる一方で、カビの格好のエサになってしまうから。

 

 

「PRODUCTS STOREでは産地商社としての経験から、使用する前の5~10分間、器を水にドボンとつけておくことをお客様にご提案しています」

 

陶器の表面には目には見えないほどの小さな穴がスポンジのように開いていて、そこに入り込んだ汚れや油分が、シミやカビ、しつこい臭いの原因になります。水にドボンとつけるのは、使用前にあらかじめ陶器の表面を水分で満たし、細かな穴をふさいでおくのが目的です。

 

使用後は、市販の食器用洗剤とスポンジで陶器を手洗いし、洗剤の成分が残らないようによくすすいだら、次はしっかり乾燥させます。

 

 

長山さんが指を添えている部分、少し出っ張っているのが「ハマ」

 

「器のハマ(糸底・高台とも)の部分には釉薬がかかっておらず、素地がむき出しの状態で水分をため込みやすいので要注意。洗い終わった器は裏向きにして、洗い物カゴのなかやタオルの上に重ねて、ひと晩程度乾燥させてください」

 

器を食器棚に重ねて収納するとき、間にキッチンペーパーや布を挟むと、湿気の吸収にもキズの防止にも役立つそうです。

 

 

今この時代だからこそ出合える器とともに

 

 

「好きな器を持つことで始まる暮らしの変化を楽しんでほしい。陶器の手入れはハードルが高いと敬遠されてしまいますが、実際はオシャレ着のケアよりも簡単だと思います。」

 

割れ物はいつか壊れてしまいます。しかし、器がその魅力を最大限発揮できるのは「使われている今その時」なのです。作り手さんも丹精込めた器が持ち主の暮らしのなかで活躍することを望んでいると、長山さんは話してくれました。

 

 

 

現在、美濃焼に大きな変化が訪れようとしています。陶土や釉薬の原料である鉱物は、もともと有限な自然の恵み。それがウクライナでの戦争や他産業との原料の争奪戦で、手に入りづらくなっています。さらに、職人さんの高齢化で失われゆく技術があります。数十年後再現できなくなる、器の形や釉薬の色があるのです。

 

今この時代のこの場所だからこそ出合える器との出会いは一期一会。「ここ多治見のまちに暮らす人にこそ、まずは器を見に来てほしい」という長山さんの言葉が響きます。自分自身や家族の生活を彩ってくれる「器」という相棒を探しに行きませんか?

 

 

 

 

PRODUCTS STORE

【住所】多治見市田代町1-59

【営業時間】11:00~17:00

【定休日】月曜日

【電話】0572-74-7700

【駐車場】2台分(マンション1F)

 

眞窯

【期間】2023年4月22日(土)~5月21日(日)

【時間】11:00~17:00 

※4月22日(土)・4月23日(日)のみ19時まで

【会場】PRODUCTS STORE 2F

PRODUCTS STORE

〒507-0036
田代町1-59
TEL 0572-74-7700
https://products-store.jp/

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