タイルの工場見学とオリジナルタイル制作「多治見るこみち」体験レポート②
多治見市近郊、東美濃エリアで開催される体験観光型プログラムを集めた「多治見るこみち」。地元に暮らす人が企画・案内人となって、まちの魅力を発信しています。主催しているのは、A2 webを運営するたじみDMOです。実際に体験してみて、より一層魅力を伝えたい……という思いも込めて、A2 web編集部・さわだが足を運んでみました。今回は、国内最大のタイル産地・多治見市笠原町でタイルづくりにチャレンジ!
多治見るこみちの概要と予約方法などは、体験レポ―ト①アロマオイルブレンドづくりの記事をチェックしてください。
杉浦製陶で生活に寄り添うタイルを知る
訪れたのは、多治見市笠原町にあるタイルメーカー・杉浦製陶です。笠原町は多治見の南側に位置する施釉磁器モザイクタイル発祥の地。タイルの製造や販売をする会社が多数あり、国内の8割のタイルがここで生産されています。全国から観光客が訪れる人気スポット「多治見市モザイクタイルミュージアム」は、まちの象徴的な存在。そんなタイルのまち・笠原町で昭和25年に創業したのが杉浦製陶です。
まず驚くのは広大な敷地。東京ドーム約2個分の面積があり、各部門への移動はクルマを利用するほど。「デザインから釉薬・原料の製造、加工、そして出荷までを全て社内で行えることが弊社の特徴で強みです」と営業部の田邊鈴花さんが説明。まずはショールームを案内してくれました。
色見本のコーナーは特に興味深く、思わず見入りました。上の写真にあるように“黄色”や“水色”と言っても、これだけさまざまな種類があるのです。マットな質感、光沢のあるもの、ざらざら、凹凸のある表情……。同じ釉薬を使っても配合を変えれば一味違うタイルに。
驚いたのは、焼成する窯が違えば、釉薬が同じ配合でも同じ色にはならないことです。タイルも「やきもの」なのだと改めて実感!田邊さんは「お客様がイメージする色を明確にこちらが理解するためにも、この色見本はとても大切です」と話してくれました。
杉浦製陶は、補修タイルの製造にも力を入れています。ビルやマンションをはじめ、歴史ある建造物などに貼られたタイルに補修が必要な場合には、同じタイルを探します。建物が古ければ古いほど、この作業は困難を極めるのではないかと想像しますよね。そんな時、杉浦製陶では既存のタイルに色を合わせ新しいタイルを小ロットで作ることができるそう。新しいものだけではなく古いものも大切にする企業姿勢、とても素敵です。
タイル製造工程を目の前で!まるで探検のような工場見学
いよいよ、タイルが作られる工場の見学に向かいます。今回は2つある工場のうち、大きなタイルを大量に作ることが得意な第三工場へ。ここでは、原料を混ぜ合わせてプレス成形し、スプレー状にした釉薬を施したのち窯で焼き上げる一連の行程が行われています。
広い工場内には、さまざまな機械が稼働していて目を見張りました。機械と機械の間を縫うように、時には屈みながら前へと進みます。さながら探検のよう!
想像以上に工場内に働く人の姿は少なく、機械化が進んでいることが分かります。普段は関係者しか立ち入れない場所に入れる特別感もあって、とても楽しかったです。
オリジナルの絵柄を施すタイルづくりを体験
製造工程を見学した後は、オリジナルのタイルづくりを体験しました。案内されたのは、今は使われていない社員食堂。レトロな雰囲気がたまりません。
プレス成形された、大小さまざまな形の土に錐(きり)や粘土細工用の道具などを使って溝を掘ります。大きなものは表札やドアプレートに、小さなものは箸置きやマグネットに加工してみよう、と想像が膨らみます。手で簡単に割れてしまうくらい柔らかく押し固められているので、力を入れなくても模様付けできて童心に帰って楽しめました。
実際の製造現場やそこで働く職人の姿を見たことで、外出先でもタイルに目が留まるようになりました。そこにあるのはタイルという「モノ」でも、その先に顔が浮かぶ存在が世の中に増えていくのはとてもしあわせなことだなと感じます。これまで以上にタイルが好きになりました。
【住所】笠原町995-102
【電話】0572-43-2111 (平日 8:00〜17:00)
※今春、たじみDMO主催で「自転車でディープなたじみ探索 第三弾 杉浦製陶タイル工場見学ツアー」を開催します。今回体験した、工場見学やオリジナルタイルづくりもできます。
最後に訪れたのは、多治見の東隣りに位置する土岐市駄知町。窯元での絵付け体験です。
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