文化財保護センター企画展「小名田窯下窯」
多治見市文化財保護センターで、小名田窯下窯出土遺跡の紹介や岐阜県・愛知県内の遺跡で出土した「白天目」の展示が行われる企画展「小名田窯下窯」が開催されます。
小名田窯下窯は戦国時代(16世紀前半)から操業している大窯で、美濃地方では一番古い大窯です。
1994年の発掘調査で、多治見市小名田町地内に16世紀の大窯3基、江戸時代の連房式登窯2基が発見されました。その後、未調査だった大窯1基を含む6つの窯と作業場が多治見市史跡に指定。中でも小名田窯下1号窯は、安土桃山期以前に作られた窯で、美濃の初期の大窯として知られています。さらには徳川美術館にある茶人・武野 紹鴎(たけの じょうおう)所持の白天目茶碗との関係が指摘される灰釉天目茶碗が出土した窯としても注目されています。
市無形文化財保持者(白天目)である青山双溪さんは、国重要文化財の尾張徳川家所蔵「白天目」について小名田窯下窯で焼かれた可能性をさぐり、これまで研究を重ねてきました。
青山さんはこの「白天目」を再現すべく、白色の陶土や透明性の高い灰釉の調合、成形・焼成方法を追求し、2020年からは自ら大窯(あな窯)を築造して焼成を行っています。
企画展では青山さんのこれまでの「白天目」作りを紹介し、美濃で作られた「白天目」の生産方法にも迫ります。
以前A2webでも青山さんの「白天目」再現についてのインタビュー記事を掲載していますので、ぜひご覧ください。
■小名田窯下窯
【会期】2024年1月29日(月)~6月21日(金)
【休館】土曜・日曜・祝日(3月9日、6月2日は開館)
【時間】9:00~17:00(最終入館16:30)
【場所】多治見市文化財保護センター 展示室
入館無料
■関連講座 シンポジウム「小名田窯下窯の白天目をめぐって」
【日時】2024年2月17日(土)13:30~15:00
【場所】多治見市産業文化センター(5階)大ホール
【講師】佐藤豊三(徳川美術館参与)
井上喜久男(元愛知県陶磁資料館館長補佐)
降矢哲男(京都国立博物館調査・国際連携室長)
青山双溪(草の頭窯・市無形文化財「白天目」保持者)
【定員】300名
【主催・問い合わせ】多治見市文化財保護センター
参加無料、申込み不要(直接会場へ)
サムネイル 小名田窯下窯出土白天目(多治見市教育委員会所蔵)
507-0071
多治見市旭ヶ丘10-6-26
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