美濃焼ミュージアム 企画展「明治・西浦焼の世界」
明治時代、西浦焼は一つのブランドとして多くは欧米向けの輸入品として販売されました。「西浦焼」とは土岐郡多治見町(現多治見市)を中心に、明治初期より三代から五代西浦圓治のもとで製作されたやきもののことをいいます。展覧会は国内では作品がほとんど残されておらず、幻のやきものとなった西浦焼を多治見市内で継続的に観覧できるように企画されました。
今回西浦焼とあわせてご紹介するアメリカのルックウッド製陶所は、明治13(1880)年にアメリカ・オハイオ州シンシナティ市で設立され、美術陶器を製作していました。ルックウッド製陶所の創始者M.L.ニコルズ夫人は明治9(1876)年にフィラデルフィア万国博覧会の会場において、日本の精緻なやきものを見たことをきっかけに設立を決意。日本の自然主義的なモチーフおよび文様は、ニコルズに新鮮な驚きと感銘を与えました。こうして誕生したルックウッド製陶所は、設立からわずか数年で万国博覧会において金賞を獲得し、世界から注目をあびる名窯となります。明治20(1887)年からは金沢出身の白山谷喜太郎が雇われ、ルックウッドを代表する絵師として活躍しています。
本展では明治時代に作られた西浦焼・釉下彩の作品を中心に、同時代に流行をリードしていたアメリカのルックウッド製陶所との関わりにも触れ、日本とアメリカの相互的な影響を探ります。
■明治・西浦焼の世界
【会期】2024年3月12日(火)~7月7日(日)
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始
【場所】多治見市美濃焼ミュージアム ギャラリーS1
【入館料】一般320円(260円)、大学生210円(150円)
※( )は20名以上の団体料金
※高校生以下、障害者手帳の交付を受けている方とその付添いの方1名は無料
507-0801
多治見市東町1-9-27
TEL 0572-23-1191
https://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/