美濃焼ミュージアム企画展「桃山陶にみる 黒の造形」
日本の陶磁器の歴史はやきものの先進国であった中国にあこがれ模倣することで発展してきたといえますが、安士桃山時代の美濃では日本独自のやきものが作られました。
室町時代に村田珠光によってはじめられた「侘び茶」は、安土桃山時代になると千利休によって完成されます。「侘び茶」で使われる道具も、それまでの唐物と呼ばれる中国の陶磁器から和物へと、志向が大きく移り変わっていきます。武士階級を中心に大流行した「侘び茶」は、そうした美意識の変化とともに新たな茶陶の需要拡大を生み、美濃において日本独自の美意識のやきものが大量に作り出されることになりました。 桃山陶と呼ばれる志野、黄瀬戸、織部はこのようにして生まれたのですが、その中に瀬戸黒、黒織部、織部黒といった黒釉(鉄)を施した黒いやきものがあります。
瀬戸黒は1000°C以上になった窯の中から引き出して急冷させることで釉薬を漆黒に発色させたものであり、そこから「引き出し黒」と呼ばれました。形状は主に筒形のものでした。同様の技法を用いたものに、織部のデザインを取り入れ、瀬戸黒の形状を歪めて形にした織部黒、鉄給を施した黒織部へと展開していきました。

当時の跡から発掘された陶片を多数所有しており、瀬戸黒、織部黒、黒織部の陶片を見比べると様々な試行錯誤が見られ、多様な器の形状や意匠がうかがえます。
【会期】2025年4月19日(土)~9月7日(日)
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日)
【場所】美濃焼ミュージアム ギャラリーM1
【入館料】一般320円(260円)、大学生210円(150円)
※( )は20名以上の団体料金
※高校生以下、障害者手帳の交付を受けている方とその付添いの方1名は無料
■関連企画① 担当学芸員によるギャラリートーク
【日時】2025年5月18日(日) 14:00~(30分程度)
【参加費】入館料のみ
■関連企画② 陶片談義
【日時】2025年5月31日(土) 14:00~(談義は40分程度、その後自由行動)
【会場】会議研修室
【講師】河合竹彦
【定員】20名程度
【お申込み】多治見美濃焼ミュージアム TEL(0572-23-1191)にて要予約
【参加費】1,100円 ※入館料、抹茶体験、パンフレット込み
講談後、美濃の作家によるお茶椀でお抹茶をおたのしみいただけます。
■関連企画③ 器をつくろう
【日時】1回目:成形2025年6月28日(土)13:30~15:30
2回目:着彩2025年7月19日(土)13:30~15:30
【会場】会議研修室
【講師】伊村俊見
【定員】20名程度
【お申込み】多治見美濃焼ミュージアム TEL(0572-23-1191)にて要予約
【参加費】1,500円(全2回)
【受け取り】来館 8月26日(火)~8月29日(金)
■関連企画④ 中庭コンサート
【日時】2025年7月6日(日) 14:00~(30分程度)
【会場】中庭
【演奏】琴きらら
【参加費】入館料のみ
507-0801
多治見市東町1-9-27
TEL 0572-23-1191
https://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/