検索したいキーワードを入力してください。
キーワードが複数ある場合は、
半角スペースで区切って入力してください。
例) 多治見 まち イベント

お知らせ  2023.08.21

文化財保護センター 企画展「長福寺展」

あっつう度

現在、多治見市文化財保護センターでは「美濃国池田御厨某寺奉加帳」の修理完成記念として、東濃地域の中世史に迫る企画展が開催中です。

 

 

青龍山長福寺(弁天町)は真言宗智山派の寺院で、本尊は行基(※1)作と伝わる聖観世音菩薩です。江戸時代以前より本土神社(小田町)の別当寺として、その管理にあたったことが棟札などから分かります。

 

寺伝によれば長瀬郷の有力領主であった土岐氏庶流の源頼氏(長瀬氏)が僧侶・道忍上人に帰依(※2)し、1331~1334年頃に創建したとされています。頼氏は本土神社の社殿修復にもかかわった人物。寺の創建に際しては、灯明料として寺領50石を与え、七堂伽藍を建立させたとされ、寺は長瀬氏の祈願寺であったと伝わっています。

 

長福寺文書「美濃国池田御厨某寺奉加帳」の一部 〈長福寺所蔵〉

2020年2月、長福寺史料調査の中で1301年頃に書かれた奉加帳(※3)が発見されました。

「美濃国池田御厨某寺奉加帳」と名付けられたこの史料は市内で確認されている史料の中で最も古く、寺院建立または仏像造営に関わる寄付金を募った名簿です。

これによれば東濃地域、名古屋から春日井の地域など広範囲からの寄付があったことがわかります。また、寄付者は頼氏のほか土岐源氏などの武士や僧尼、庶民も含まれ、女性の名も多く見ることができます。

 

この史料は2022年4年1月に多治見市有形文化財に指定されました。また、2022年~2023年度にかけては破損部分の補修などの修理が行われています。

今回の企画展では、「美濃国池田御厨某寺奉加帳」の修理完成記念として、奉加帳を含めた長福寺の宝物を展示し、東濃地域の中世史に迫ります。

 

※1 行基(ぎょうき) 奈良時代の僧。道路の修理、堤防の築造、橋梁の架設、貯水池の設置などに努め、多くの寺院を建立。
※2 帰依(きえ) 神仏や高僧を深く信仰し、その教えに従い、その威徳を仰ぐこと。
※3 奉加帳(ほうがちょう) 寄付金名簿。
〈出典:精選版 日本国語大辞典 〉

 

長福寺

 

「長福寺展」の見所

多治見市文化財保護センターの岩井美和学芸員に伺いました

2022年、多治見市指定文化財になりました長福寺文書「美濃国池田御厨某寺奉加帳」は、多治見市内の古文書で最も古い、1301年ごろのものです。多治見国長が正中の変で亡くなる20年ほど前の資料で、虎渓山永保寺ができたころです。

 

「美濃国池田御厨某寺奉加帳」にはたくさんの地名が出てきます。多治見、笠原、長瀬、滝呂、池田、野中(宝町のあたり)など、現在の地名が当時からあったことがわかり、たくさんの人名(武士、百姓、僧侶、女性)の名が書かれています。この当時、多治見にこんな人が住んでいたんだ!という新しい発見があります。そういった多治見の鎌倉時代末期の新しい資料が発見された報告の展示となっているので、ぜひご覧いただきたいです。

 

 

■長福寺展

【会期】2023年7月24日(月)~12月22日(金)

【休館】土曜・日曜・祝日(9月2日・11月12日は開館)

【時間】9:00~17:00(最終入館16:30)

【場所】多治見市文化財保護センター 展示室

入場無料

 

 

■関連事業 講演会

長福寺文書「美濃国池田御厨某寺奉加帳」-その性格と多治見地域の人々-

【日時】2023年8月26日(土)14:00~15:30

【場所】ヤマカまなびパーク(7階)多目的ホール

【講師】福島金治(愛知学院大学 文学部教授)

【対象】どなたでも 200名まで

【主催・問合せ】多治見市文化財保護センター

参加無料、申込み不要(直接会場へ)

多治見市文化財保護センター

507-0071
旭ケ丘10-6-26
TEL 0572-25-8633
MAIL hogo-cen@city.tajimi.lg.jp
https://www.city.tajimi.lg.jp/bunkazai/index.html

SHARE

取材/広告掲載/プレスリリースに関する
お問い合わせや
たじみDMOの事業に関する
お問い合わせはこちらから