美濃焼ミュージアム企画展「没後100年 成瀬誠志とその周辺」
明治中期の岐阜県東濃地方東部の陶磁器業界は、現在の多治見市を含む土岐郡、そして可児郡、さらには中津川市を含む恵那郡の3郡をひとまとめにしていました。現在のような‟商業組合”や‟工業組合”などの組織で分かれず、「三郡」と呼ばれる1つの大きな組合だったそうです。
今回の企画展では、現在の美濃焼の定義を再解釈し、明治時代に活躍した名工・成瀬誠志(なるせせいし)の没後100年を記念し、中津川市とともに多治見市でもその功績を振り返り、美濃焼の中での位置づけを改めて試みるものです。生涯にわたって自身の美を追い求めた誠志の世界を時代背景とともにお楽しみください。
■没後100年 成瀬誠志とその周辺
【会期】2023年9月2日(土)~2024年1月28日(日)
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始
【場所】多治見市美濃焼ミュージアム ギャラリーM1
中津川市苗木遠山史料館でも同時開催 詳細はこちら
※多治見会場と中津川会場では展示作品が異なります。会期中に使用したそれぞれの観覧券を提示すると団体料金に割引されます(1枚につき1名のみ有効)
【入館料】一般320円(260円)、大学生210円(150円)
( )は20名以上の団体料金
高校生以下、障害者手帳の交付を受けている方とその付添いの方1名は無料
■関連企画① 講演会「成瀬誠志と茄子川」
【日時】9月30日(土)13:30~14:30
【場所】多治見市美濃焼ミュージアム 研修室
【講師】原益彦(中津川市郷土資料調査員)
【定員】20名
【申込み】多治見市美濃焼ミュージアム 窓口・電話(要事前申込)
※参加無料(観覧料が別途必要)
■関連企画② 中庭コンサート
【日時】11月25日(土)14:00~14:30
【場所】多治見市美濃焼ミュージアム 中庭
【出演】大村絵里(ソプラノ)、藤掛幹奈子(ピアノ)
【定員】40名
【申込み】多治見市美濃焼ミュージアム 窓口・電話(要事前申込)
※参加無料(観覧料が別途必要)
成瀬誠志
弘化2(1845)年、美濃国恵那郡茄子川村(現在の中津川市茄子川)に生まれました。名は和六といい、13歳の頃、地元の茄子川焼の篠原利兵衛の徒弟となります。明治4(1871)年に東京へ移り、陶画工となります。翌年には芝区の増上寺山内に窯を構え、薩摩焼風陶器の絵付けを本格的に始めました。当時、幕末から欧米で好まれたジャポニスム・日本趣味の流行を受けて、いわゆる「東京薩摩」と呼ばれた誠志の作品は主に横浜から海外へ輸出されました。明治10(1877)年に開催された第一回内国勧業博覧会での受賞を皮切りに、精密な絵付けは国内外の博覧会で入賞するなど高い評価を受けました。
明治19(1886)年に、より本格的な制作の場を求めて茄子川へ帰郷し、工房「陶博園」を開設します。特に帰郷後、日光東照宮をモデルに制作した「陽明門」は約3年の歳月をかけた大作でした。この作品は明治26(1893)年アメリカ・シカゴ万国博覧会に出品した際、輸送中の事故により破損しその一部の展示にも関わらず、多くの賛辞を得て受賞します。
〈多治見市美濃焼ミュージアム〉
507-0801
多治見市東町1-9-27
TEL 0572-23-1191
https://onl.la/ruP5KG4