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例) 多治見 まち イベント

こと 場所  2023.11.24

まちの対談【KNOT】vol.1 後編 かまや多治見・加藤貴也さん×たじみDMO・小口英二さん

あっつう度

明治から昭和初期にかけて美濃焼の商家が立ち並んでいた本町オリベストリート。この地で145年間、時代の移り変わりを見てきた三軒長屋が、2023年4月に「かまや多治見」として生まれ変わりました。生活道具やオーガニック野菜、カレー店など多種多様な店と人が集う複合施設です。

 

今回は、かまや多治見代表・加藤貴也さんと、かまや多治見を共同経営するたじみDMOのCOO・小口英二さんで対談を実施。前編ではかまやの誕生から、場を持つことの大切さについて語りました。後編は、多治見の未来について。二人がまちをどんな風に見ているのか、思いを交わしました。

 

前編はこちら

まちの対談【KNOT】vol.1 前編 かまや多治見・加藤貴也さん×たじみDMO・小口英二さん

 

宿ができることで、まちに新しいコミュニケーションが生まれる

 

―まちづくり会社のたじみDMOは他エリアの視察もしています。いまの多治見で感じられる「まちの良さ」とは?

 

小口:観光じゃなく地元向けにやっていることが多い印象です。そこに地元の人が遊びに行って、暮らす人が広めてくれている良さがある。まちの若い人たちや店同士がつながっている関係性もすごく良い。そういうネットワークがより増えていくといいですよね。

 

加藤:店同士で「あの店もいいですよ」という紹介はよくします。それは感覚的に近い人たちが周りに多いからできるんでしょうね。まだまだ知らない店もけっこうあります。

 

―それぞれの人や店がハブとなって広がっている気がします。

 

加藤:まちなかを一周できるサイズもいい。駅からながせ商店街、オリベストリートを歩いて、銀座商店街から広小路に向かう。歩くとちょうどいい。

 

小口:土岐川沿いにもっと店があるといいですよね。うちとしてはまちなかで宿がやりたい。

 

加藤:この前も「多治見に温泉宿はないんですか?」と聞かれました。

 

 

小口:宿があると、宿泊者に「ここ行くといいですよ」という話が一層できるようになる。そういう形のコミュニケーションが欲しいんです。宿泊客が増えたら飲食店が朝営業を始めるなど、既存店の新たな試みも出てくるかもしれない。そういう広がりも期待しています。

 

―まちをひとつの宿のように見立てて活用する「まちやど」ですね。

 

小口:あとは、いい物件と出合えるかどうか。宿の先は、シェアハウスや賃貸住宅を考えていこうかな。僕らが主導して、商店街の空き地に住宅と店舗がある場をつくる。「住宅×○○」ができればいいな。

 

加藤:古くて良い建物もすぐ更地になっちゃう。早いんですよね。

 

小口:お店がなくなってから1週間で売買されて、新築住宅が建つ場合も多い。

 

―かまやも、貴也さんが住んでいなかったら駐車場になっていたかもしれない。

 

加藤:きっとね。笑 壊すのはすごく簡単だから。でも、あるものを生かすのは大事だし、そこに価値をどれだけ見い出せるのか。

 

 

―多治見で、借りたいヒトのやりたいと貸したいヒトの思いをつなぐサービス「さかさま不動産」も始まっています。少しずつまちの空き家が動き出していますか?

 

小口:さかさま不動産は効果があります。県外から多治見で出店、移住したい人からの連絡が入るし、物件を持っている人から少しずつ情報が集まっている。これを続けていけば、さかさま不動産でのマッチングがより一般的な流れになっていくと思います。

 

加藤:多治見で空き物件を探している人はたくさんいる。でも、まちの価値に対して聞く耳を持ってない人もまだ多い。

 

小口:そうですね、関心が低いというか。

 

加藤:外から移り住んだ人たちが多治見のまちに魅力を感じてくれていても、協調できる人がまだまだ少ない。昔からずっと住んでいる人は何とも思ってなかったり、気付いたとしても良しとしない。一緒になって「いいね」と言えたら変わってくると思います。

 

小口:だからこそ、かまやのような場所が増えるのが大事なんですよ。

 

 

借りたい人と貸したい人の思いをつなぐ「さかさま不動産」 多治見支局が開設!

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多治見が「チャンスのあるまち」であってほしい

 

―ヒラクビルも、まちの魅力を可視化していると感じます。

 

小口:ヒラクビルができた時、近所の方が「こんな風になるんだったら、そのうち物件を任せるわ」と言ってくれました。場ができたことで「地元に帰って新しいことを始めたい」と考える人も増えたらうれしいですよね。

 

加藤:多治見で何かを始めたいと考える人は増えている気がしますけどね。

 

小口:多治見がチャンスのある街になればいい。新しいことをやっても全然ダメな地域では挑戦できないし、少なからず可能性があるからこそ始められる。人が滞在しないのに宿やりたいと言ってもしょうがない。

 

加藤:そうですよね。

 

小口:僕たちがやっていることに人が寄ってきてくれて、地元の人たちが楽しんでくれる場になってほしい。ゆくゆくは多治見がそういった話題だらけのまちになればいいな。……かまやに飽きずに貴也さんと次のことやるかもしれないとも思っています。

 

加藤:やる? 場を作るのは好きだよ!笑

 

小口:他の人たちも加わって、新しいことを始める流れになる気がする。

 

加藤:やっぱり思っていることを形にするのが大事。一人じゃできないけど、二人、三人になればできることはいくらでもある。「ちょっとやってみようよ」「いいね!」って言ってくれる大人が年々増えている気がしています。

 

小口:僕らが歳を重ねていく中で、だんだん新しい役割も付け足されていますよね。

 

加藤:そう、見え方も変わってきた。同じものでも多角的に見える。出会う人が増えればそれだけ知識や視点も増えるから、より立体的に面白いものが見えている気がする。

 

―それは一人で完結しているだけでは見えない世界ですよね。

 

加藤:そう、無理ですよね。

 

 

―最後に、今後のかまや多治見で実現したいことを教えてください。

 

加藤:淡々と続けていくこと。それが一番難しいけれど焦らずやることが大事だし、それを見てくれている人もいるはず。あとは、かまやに関わることで誰かがチャレンジしたり、変化してくれたらいいな。いろいろ思うことはあるけれど、まずは「やる」。選択肢を与えられているだけでありがたい立ち位置にいるんだから、やるしかないですよ。

 

―やらないと見えない。

 

加藤:失敗しても後で考えたらいいし、嫌なこともやらないと気付かない。たじコンでも人前でしゃべるのは苦手だし、考えたこともないようなことと対峙したけれど、チャレンジを経て見えたものがいっぱいありました。

 

小口:その挑戦が、かまやにつながったんですよね。

 

加藤:あとは、かまやに来てもらった人にきっかけを持って帰ってもらいたい。多治見のまちなかにきっかけが増えてほしいです。「あれがよかったね」と感じてもらうだけでもいい。かまやができたことで、この先どういう動きがあるのか楽しみだし、そのためにも淡々と続けていければいいですよね。

 

 

 

今回のかまや対談は、A2 webの新企画の第一弾。「結び目」を意味する対談企画「KNOT(ノット)」では、人と人を結び、混ざり合うまちの対話を届けていきます。

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